「うれしさ半分、不安半分」父になって分かる、父の気持ち
両親の深い愛情に育まれ、その後双子の兄弟はジェフのトップチームに昇格を果たす。兄はボランチ、弟はストライカーとして成長を遂げ、2006年にはそろって日本代表に選出されると、日本サッカー史上初となる双子選手の国際Aマッチ同時出場も実現している。「プロになったとき、もちろん両親は喜んでくれましたけど、うれしさ半分、不安半分といった感じでした。ジェフの先輩たちがプロの世界に入って、1年や2年でチームを去っていく姿を見ていたからでしょうね。今、自分が親の立場になってみると、その気持ちがよく分かります」
「本当に周りの人たちに恵まれたキャリアでした」
寿人は2020年に現役を引退するとき、こんな言葉を口にしている。「本当に周りの人たちに恵まれたキャリアでした」
ジェフのセレクションで自分を見出してくれたコーチ、中学時代の先生、もちろんこれまで指導を受けた監督、ともにプレーしたチームメイトもそうだろう。だが、自分のことはいつも二の次で、子どもたちがサッカーに夢中になれる環境を与えてくれた両親以上の存在は、他にいないはずだ。
21年間に及んだプロ生活。メディアが用意したアンケートに「尊敬する人」の欄があれば、佐藤寿人は迷うことなく「両親」と書き続けた。
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佐藤寿人(さとう・ひさと)
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