ブームで終わらないためにK-POP業界が味わう「成長痛」
ゆりこ:「変わらなきゃ」っていう危機意識はSMもHYBEも共通している中、あえて2社の微妙な違いを見いだすとするなら。今のSMが最優先で守りたいものは「自社ブランド」で、HYBEはもう1歩先の「K-POP業界全体」まで考えているのかなって。あくまで私の見え方ですが。
矢野:ああ、なんかK-POPファンとしてはヒヤヒヤしたりモヤモヤした数カ月でしたが、これはK-POP業界にとっての“成長痛”だったのかもしれませんね。さらに発展していくための。
ゆりこ:あまりにお花畑思考が過ぎる! と叱られてしまうかもしれないけれど、どこか心の片隅で「こんなに大金や人生をかけてK-POPに向き合っている人、会社が存在するってすごいな」って感心していました。
矢野:いろいろ暴露されて批判されているイ・スマンさんだって人生の大半をK-POPに捧げて、ずっと貢献してきた部分は否定できない。
ゆりこ:aespaに「植樹ソング」を強要した話はひどい! って思いましたが(苦笑)。まだまだ野心も気力もおありのようですし、新生スマン企画(?)からアッと驚くようなアーティストが出てくるかも。その場合、生身の人間じゃない予感もするなぁ。
矢野:デビュー準備中のSMのバーチャルアイドルと直接対決! なんて日が来たら面白いですね。そしてパン議長のスピーチも素直に受け取れば、真剣にK-POP業界の未来を考えて動こうとしているってこと。
ゆりこ:根底にプライドの問題や山っ気はあれど、3社ともK-POP業界の未来に対して“ガチ”なのは伝わります。騒動が落ち着いた今だから言えることですが、ちょっとその状況がうらやましいとさえ思ってしまうわ。今の日本では起こり得なそう……。
矢野:HYBEとカカオが迅速に手を組めたのも「K-POPビジネスをより強固なものに成長させよう」というゴールが一緒だったからでしょうね。利害の一致。
ゆりこ:現代の韓国にとってK-POPは時に争いの火種にもなるけれど、新たなアイデンティティとマネーが湧く“夢の油田”なんですね、きっと。
矢野:われわれは枯れないように推し続けるまでです。
【ゆるっとトークをお届けしたのは……】
K-POPゆりこ:韓国芸能&カルチャーについて書いたり喋ったりする「韓国エンタメウォッチャー」。2000年代からK-POPを愛聴するM世代。編集者として働いた後、ソウル生活を経験。
編集担当・矢野:All Aboutでエンタメやメンズファッション記事を担当するZ世代の若手編集者。物心ついた頃からK-POPリスナーなONCE(TWICEファン)。
参考
※1:CBSノーカットニュース 2023年3月31日
※2:NEWSIS 2023年2月21日
※3:Kstyle 2023年2月16日
※4:AFPBB News 2023年2月19日
※5:中央日報 2023年3月13日
※6:プレスリリース
※7:プレスリリース
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