現在のK-POP覇者「HYBE」があえてSM買収合戦に乗り出した理由とは
矢野:これまでの流れで、SMとカカオが「改革」を求めていたのは理解できたのですが、今のHYBEは国内外で絶好調じゃないですか。BTSの不在は大きくとも、メンバーのソロ活動も盛り上がっていますし、傘下レーベルの新人NewJeansもLE SSERAFIMもブレーク中。未来は明るそうですよ?
ゆりこ:ジミンさん(BTS)なんてソロ曲『Like Crazy』でアメリカのビルボード1位の快挙ですからね。
ではここからHYBEの話をしますと、創業者のパン・シヒョク議長がSM買収を撤回した直後に、あるフォーラムでスピーチした内容がとても興味深かったんですよ。
矢野:「K-POP業界の成長は鈍化している」的な発言をされたんでしたっけ。SNSで見かけたような……。
ゆりこ:それです。ここで突然話がガラッと変わるのですが、矢野さんって『SLAM DUNK』をご覧になったこと、あります?
矢野:実は、漫画もアニメも見たことないです。元バスケ部なのに(笑)。でも最近映画で再び盛り上がっていることは知っています。その『SLAM DUNK』と何か関係が?
ゆりこ:パン議長がフォーラムの途中で突然、『SLAM DUNK』とレスリー・チャンの話を始めるんです。
矢野:かなり前に亡くなっている俳優さんですよね、香港の。
ゆりこ:はい。で、その後に「香港映画や日本漫画ブームは90年代カルチャーの象徴であり、すでに“思い出”として回顧されるものになっている」、つまり「K-POPブームだって“思い出”になりかねないんだ」と続けたのです。なかなかハッとする話でしょう?
矢野:説得力がありますね。現に僕ら世代は『SLAM DUNK』を通ってきていない人もいるわけで。大人気だったモノがいつの間にか懐かしいモノになってしまう例は無限にあります。