そもそもSMの“ドロ沼お家騒動”はどこから始まった?
矢野:SMのお家騒動の発端は創業者イ・スマンさんの個人会社に多額の資金が流れていたことだと聞いたのですが……。
ゆりこ:元共同代表のイ・ソンスさんがYouTubeで暴露していましたよね(現時点では非公開)。彼はスマンさんの妻側のおいで、本当の意味で“お家騒動”。いつかドラマ化されるかもしれない(※3、4)。
矢野:ものすごくシンプルな見方をすると、発端は「私利私欲に走った創業者が経営状況を悪化させているのでは?」という不信感から起こったクーデター。スマンさんの敏腕プロデューサーとしての貢献力と、受け取る対価のバランスが崩れてきて、これ以上目を瞑れなくなったのでしょう。
ゆりこ:韓国の報道によると、事前にアクティビスト・ファンド(※)を使って内側から“膿出し”を図ろうとしていたそうです。2023年3月末に行われたSMの第28期株主総会では、そのファンドからも理事(取締役)が登用されています。
※一定以上の保有株式を裏付けに、出資先の企業価値を高めるため、「取締役の選任や解任」「低収益事業の売却要求」などさまざまな提案を持ちかける投資家、もしくは投資ファンド。
矢野:大波乱が起きる前から投資ファンドの人がSM側で暗躍していたということですか。投資する身としてはSMの株価、上げたいですからね。そこで株価がなかなか上がらない原因がスマンさんにあると思えば……。
ゆりこ: だから2022年、スマンさんの個人会社へ情報開示を求めたり、年末にプロデュース契約を終了させたんです。一見「前向きな引退か?」と思われたのですが、今となっては円満な話じゃなかったというのが明らか(※5)。
矢野:あれ? もしかして……スマンさんの絶対王政から脱却するために「カカオに株を渡して経営参画してもらおう」というのも、アクティビスト・ファンドからの助言だったりするのでしょうか?
ゆりこ:そう邪推しちゃいますよね。双方否定しているようですが、事前の“ご相談”があったとしても不思議ではない。
矢野:そこに突然HYBEが乱入するとは思わなかったでしょうね。