死者数は本当に37人だけなのか
人口の90%が移民労働者であるカタールでは、スタジアムなどの建設も全て外国人労働者が安い賃金で担う。かたや人口の1割ほどのカタール人は平均世帯月収が2万ドル前後で、スタジアムなどの建設に直接関わることはない。
例えば、フランスのテレビ局によるドキュメンタリーでは、ケニアからカタールに出稼ぎに来ていた労働者に密着。その男性は、ケニアよりも2~3倍の給料が稼げるという触れ込みで、1500ユーロの手数料を払ってカタールの首都ドーハに到着したという。しかも、食事と住まいも確保されているという契約だった。
ところがカタールでは、何人もが部屋に詰め込まれ、キッチンも冷蔵庫もないような劣悪な環境で、賃金未払いのまま働かされている人も。しかも、パスポートを取り上げられているため、地元当局に文句を言えば、そのまま報酬をもらえずに強制送還になる。
W杯に向けた灼熱(しゃくねつ)の工事現場の過酷な環境で働くことで、これまで少なくとも6500人以上が死亡しているとの批判も出ている。インドやスリランカ、バングラデシュ、ネパールからの労働者で合わせて5927人が、さらにパキスタンからの出稼ぎで824人が死亡しているという。これには、アフリカ諸国からの労働者は含まれない。
一方で、カタール側は、スタジアム建設で死亡した人の数は37人だけだと主張している。
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