ここがヘンだよ、ニッポン企業 第5回

海外で低賃金労働者になってしまう日本人、「安いニッポン」の本当の怖さとは

経済的に豊かになった中国人が、貧しくなった日本の出稼ぎ労働者の足元を見て、労働を搾取する問題が静かに進行している。日本の賃金が安くなることの本当の恐ろしさとは――。

「安いニッポン」の本当の怖さ

賃金が安くなることの本当の恐ろしさとは(画像はイメージ)

よく「安いニッポン」という話になると、「日本は給料が安くても国民皆保険など生活インフラが充実している」とか「賃金が安くても物価も安いのでトータルで見ると、こんな生活しやすい国はない」と主張して、低賃金を肯定する人たちがいる。
 

が、賃金が安くなることの本当の恐ろしさはここだ。内外格差によって、豊かな国から、「安い日本人の労働者」が不当に搾取されていくことなのだ。
 

日本人の人権と尊厳を守るためにも、そろそろ日本でもおかしな経済理論は捨てて、他国のように、最低賃金を積極的に引き上げていくべきだ。
 


窪田順生プロフィール
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経てノンフィクションライター。また、報道対策アドバイザーとしても、これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行っている。



【おすすめ記事】
「スシロー」「くら寿司」が値上げの中、「かっぱ寿司」が「100円皿」を30商品増やしたワケ
イオン、サイゼリヤ、シャトレーゼも…「値上げしない企業」が“称賛”の一方で抱える、特殊な事情
「大阪王将」ナメクジ炎上で「餃子の王将」に飛び火……でも“お互いさま”とも言えるワケ
「不祥事ドミノ」のスシローは、「異物混入」が続いた時のマクドナルドとよく似ている

 

Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

連載バックナンバー

Pick up

注目の連載

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    静岡の名所をぐるり。東海道新幹線と在来線で巡る、「富士山」絶景ビュースポットの旅

  • ヒナタカの雑食系映画論

    『グラディエーターII』が「理想的な続編」になった5つのポイントを解説。一方で批判の声も上がる理由

  • アラサーが考える恋愛とお金

    「友人はマイホーム。私は家賃8万円の狭い1K」仕事でも“板挟み”、友達の幸せを喜べないアラサーの闇

  • AIに負けない子の育て方

    「お得校」の中身に変化! 入り口偏差値と大学合格実績を比べるのはもう古い【最新中学受験事情】