自身の壮絶なゲーム依存体験と、医師として多くの子どもや保護者を診てきた経験から、阿部さんは「ゲームとの付き合い方次第で、子どものその後の成長は大きく変わる」と語ります。
子どもがゲームにハマったとき、親はどのように介入すべきなのか。『ゲームしながら受験で勝つ!─医師が教える子どもが自ら学び出すセルフコントロール力─』(新潮社)の著書もある阿部さんに、ゲームへの「ネガティブなハマり方」と「ポジティブなハマり方」の違いや、現場で効果のあった親の関わり方について伺いました。
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「勝つために分析する子」と「ダラダラ続ける子」
阿部さんによると、子どものゲームとの向き合い方は大きく2つのタイプに分けられると言います。1つ目は、ランキング上位を目指して「どうすれば他のプレーヤーに勝てるか」を常に分析しながら遊ぶタイプ。
「このタイプは、勉強でも力を発揮しやすい印象があります。上位のランキングに入るために、集中力と目標達成力を育んでいる。ゲームに対して、前向きでよい熱中をしていると言えるでしょう」
一方で、ゲームがうまくないのにだらだら続けてしまうタイプは、現実から逃避するために利用している可能性が高いそう。そういう場合には、なぜゲームに逃避しているのか、原因を一緒に探ることが大切です。
「学校や家庭での悩みが逃避の原因となっている場合があります。また、ADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉スペクトラム症)といった病気が隠れているケースも。生きにくさを抱えていてゲームが唯一の逃げ場になっている場合もあります」
子どもがゲームをやめられない医学的理由
なぜ人はゲームにハマるのでしょうか。阿部さんは、「子どもに問題があってゲームにはまってしまうのではなく、ゲームはそもそもハマりやすいようにできている」と言います。「目標を達成したとき、ドーパミンが快楽や達成感を脳にもたらします。これが、『もっとやりたい』『楽しい』という子どもの気持ちを駆り立てるのです」
ゲームに逃避している子どもは、このドーパミンで得られる刺激に取りつかれている状態。いきなりゲームだけを取り上げると逃げ場を失い、かえって状況が悪化してしまうことがあります。
「ゲームが子どもにとってプラスの存在なのか、それともマイナスの存在になっているのかを見極めること。その上で、ゲームに対する情熱をほかのことに向けられるよう少しずつフォローするのがいいと思います」



