元ゲーム依存の現役医師が断言、わが子の「ゲーム脳」を伸ばす親・ダメにする親の違い

子どもの「ゲーム依存」に悩む親がやりがちなNG対応とは? 「没収」や「説教」は逆効果。元ゲーム依存の現役医師が、「よい熱中」と「ダメな熱中」の見分け方や、ゲームの強みを現実に生かした成功事例から正しい向き合い方を解説。

ゲーム依存した経験をもとに患者と向き合う阿部医師
ゲームに依存した経験を糧に診療に臨む阿部医師(写真提供:阿部智史)
名門・武蔵中高卒業後、1日18時間のゲーム漬けフリーター生活から一念発起し、医学部合格を果たした医師の阿部智史さん。

自身の壮絶なゲーム依存体験と、医師として多くの子どもや保護者を診てきた経験から、阿部さんは「ゲームとの付き合い方次第で、子どものその後の成長は大きく変わる」と語ります。

子どもがゲームにハマったとき、親はどのように介入すべきなのか。『ゲームしながら受験で勝つ!─医師が教える子どもが自ら学び出すセルフコントロール力─』(新潮社)の著書もある阿部さんに、ゲームへの「ネガティブなハマり方」と「ポジティブなハマり方」の違いや、現場で効果のあった親の関わり方について伺いました。

※本記事で紹介している商品の購入やサービスの利用により、売上の一部がオールアバウトに還元されることがあります。

「勝つために分析する子」と「ダラダラ続ける子」

阿部さんによると、子どものゲームとの向き合い方は大きく2つのタイプに分けられると言います。

1つ目は、ランキング上位を目指して「どうすれば他のプレーヤーに勝てるか」を常に分析しながら遊ぶタイプ。

「このタイプは、勉強でも力を発揮しやすい印象があります。上位のランキングに入るために、集中力と目標達成力を育んでいる。ゲームに対して、前向きでよい熱中をしていると言えるでしょう」

一方で、ゲームがうまくないのにだらだら続けてしまうタイプは、現実から逃避するために利用している可能性が高いそう。そういう場合には、なぜゲームに逃避しているのか、原因を一緒に探ることが大切です。

「学校や家庭での悩みが逃避の原因となっている場合があります。また、ADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉スペクトラム症)といった病気が隠れているケースも。生きにくさを抱えていてゲームが唯一の逃げ場になっている場合もあります」

子どもがゲームをやめられない医学的理由

なぜ人はゲームにハマるのでしょうか。阿部さんは、「子どもに問題があってゲームにはまってしまうのではなく、ゲームはそもそもハマりやすいようにできている」と言います。

「目標を達成したとき、ドーパミンが快楽や達成感を脳にもたらします。これが、『もっとやりたい』『楽しい』という子どもの気持ちを駆り立てるのです」

ゲームに逃避している子どもは、このドーパミンで得られる刺激に取りつかれている状態。いきなりゲームだけを取り上げると逃げ場を失い、かえって状況が悪化してしまうことがあります。

「ゲームが子どもにとってプラスの存在なのか、それともマイナスの存在になっているのかを見極めること。その上で、ゲームに対する情熱をほかのことに向けられるよう少しずつフォローするのがいいと思います」
次ページ
よかれと思ってやってない? 親の最悪な対応3選
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

編集部が選ぶおすすめ記事

注目の連載

  • ヒナタカの雑食系映画論

    中島健人主演Netflixシリーズ『SとX』レビュー。性に「悩んでない人なんていませんから」に大納得できる理由は

  • どうする学校?どうなの保護者?

    20年間「駆け込み実績ゼロ」の学校も…「こども110番の家」は本当に必要? PTAが直面する理想と現実

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    【要注意】東京駅で絶対にハマる「最遠ホーム」と「メトロ乗り換え」の絶望トラップ

  • 海外から眺めてみたら! 不思議大国ジャパン

    「移民」に冷たいのはどっちなのか? スイスの厳格過ぎる学歴選別と、日本の曖昧過ぎる外国人政策