名門・武蔵から「1日18時間ゲーム漬け」の依存状態へ。神童が2chとゲーム脳でつかんだ「医学部一発合格」の裏側

武蔵卒のエリートが1日18時間ゲーム漬けのフリーターに転落。オンラインゲームの配信終了と2ちゃんねるをきっかけに一念発起し、ゲームの手法を勉強に応用して、たった1年で医学部に合格した一部始終を明かします。

※本記事で紹介している商品の購入やサービスの利用により、売上の一部がオールアバウトに還元されることがあります。

「自分ヤバい……」神童の目を覚まさせたゲームの配信終了

そんな自堕落な生活を送っていた3年目のある日、高校時代から続けてきた「ボンバーマンオンライン」がサービス終了を発表します。

居場所だったゲームが消えたことで、「今の自分って、まずいタイプのフリーターじゃん」と一気に現実に引き戻されました。同時に、ゲーム内で知り合った年上の友人からも「フリーターを続けるより、勉強してもっといい道を歩め」と背中を押されます。

阿部さんは、インターネット掲示板「2ちゃんねる(2ch)」に「このままでいいのか?」というスレッドを立て、現状を吐露。そこに寄せられた見知らぬ人々からの励ましをきっかけに、もう一度受験に向き合う覚悟を決めました。

両親に頭を下げて予備校へ通い始めた阿部さんは、ここから「ゲーマー的な発想」を受験勉強にハックし始めます。

2ちゃんねるを監視役に。「ゲーム脳」でつかんだ偏差値70超

阿部さんが最初に取り組んだのは、勉強の「ゲーム化」でした。

「勉強を始めた当初は計画を立てずにがむしゃらに取り組んだため、得意科目ばかり進んで苦手科目が滞りました。そこで対策として、毎日少しずつ全教科を勉強し、何分勉強したかをノートに記録。『ログインボーナスを得る』ようなイメージで進めたんです。やらない科目がある=キャラが成長できない、というイメージで進めました」

さらに、モチベーション維持のために2ちゃんねるを活用しました。「勉強時間16h、運動時間0.5h、無駄にした時間0.5h」と毎日の成果と反省をスレッドに投稿。見ている人々に監視してもらうことで、途中で逃げられない環境を作ったのです。

「そのうち、『毎日ROMってるよ』『相変わらず頑張ってるね。自分自身が決めた道、しっかり前を見て下さい。応援してます』と認めてもらえる瞬間がありました。受験が近づくと、スレッドには一緒に頑張る仲間も登場し、ドラゴンクエストの『ルイーダの酒場』のように仲間集めの場所としても機能していましたね」

睡眠以外の全てを勉強に捧げ、最低でも1日12時間の学習量をキープ。再受験を決めた当初は偏差値50未満まで落ち込んでいた成績は、最終的に偏差値70を超えるまでに急上昇し、見事に医学部合格を果たしました。

「研修医になれた時、『迷惑をかけてごめん』と両親に声をかけたら、涙を流していました。苦労をかけたんだと、今ならよく分かります。ゲームは逃避にも使えますが、その熱中するパワーは現実を成長させるためにも使えるんです」
ゲームしながら受験で勝つ!:医師が教える子どもが自ら学び出すセルフコントロール力
ゲームしながら受験で勝つ!:医師が教える子どもが自ら学び出すセルフコントロール力
最初から読む
阿部智史さん プロフィール
1987年生まれ。医師(家庭医療専門医・指導医)。医療法人救友会理事長、東海大学医学部付属病院総合内科客員講師。湘南伊勢原クリニック院長。私立武蔵中高から東海大学医学部へ進学。ゲーム依存を経験したことから、2021年に医師仲間とDr.GAMESを設立し、診療の傍らゲームで悩む親子やゲーマーのサポートを行う。現在も熱心なゲーマーで、複数のオンラインゲームで全国ランキング1位の成績を残す。
結井 ゆき江
この記事の執筆者: 結井 ゆき江
フリーランス編集・ライター
フリーランスの編集者・ライター。中学受験雑誌の編集者として勤務した後に独立。小学校で発達障害グレーゾーンの児童をサポートした経験から、教育分野を中心にライターとして活動する。 ...続きを読む
>プロフィール詳細
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

編集部が選ぶおすすめ記事

注目の連載

  • ヒナタカの雑食系映画論

    中島健人主演Netflixシリーズ『SとX』レビュー。性に「悩んでない人なんていませんから」に大納得できる理由は

  • どうする学校?どうなの保護者?

    20年間「駆け込み実績ゼロ」の学校も…「こども110番の家」は本当に必要? PTAが直面する理想と現実

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    【要注意】東京駅で絶対にハマる「最遠ホーム」と「メトロ乗り換え」の絶望トラップ

  • 海外から眺めてみたら! 不思議大国ジャパン

    「移民」に冷たいのはどっちなのか? スイスの厳格過ぎる学歴選別と、日本の曖昧過ぎる外国人政策