それが子どもたちに「人として生きていくために必要な力」を授け、2人が中学受験をして御三家へ。そのうち長女は東京大学へと進学したそう。
「昔ばなしは、自分の頭で考えて動く力、人の痛みに気付ける想像力、壁にぶつかっても諦めない粘り強さを授けます」と沼賀さん。その子育て術を、2026年6月に『本当の頭のよさが育つ昔ばなしの魔法』(青春出版社)として出版しました。
今回は同書から、頭がいい子の親が、昔ばなしの読み聞かせをする理由を5つ紹介します。
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理由1:物語で、試練と回復のプロセスを疑似体験
「間違えた! もうやらない!」「体育着が見つからないから、学校に行かない!」少しの失敗で心が折れて、悲嘆に暮れる子どもたち。これを沼賀さんは、「正解だらけの清潔な世界に慣れ過ぎて、心の免疫が落ちている状態」と分析します。
昔ばなしの主人公たちは、親に捨てられ、悪い魔女にだまされて、自らとんでもない失敗をしでかし、理不尽な目にあいます。しかし、どれだけ大ピンチに陥っても、助けがきてハッピーエンドを迎えます。
その物語を繰り返し聞くことで、子どもたちは理不尽な試練と回復のプロセスをたっぷりと疑似体験します。これが現実のトラブルに負けない心の免疫につながり、子どもたちの「折れない心」を育てます。
理由2:物語の骨組みをつかむ力を育てる
問題が解けなくて、「分からない!」とさじを投げる子ども。「これは子どもの頭が悪いわけでも、性格が短気なわけでもありません。一点だけを見つめて、全体像がつかめなくなっている“思考が近視”になっているだけなんです」と沼賀さんは語ります。この状態を切り抜けるために必要なのが、「抽象力」。「抽象力とは、細かな違いの奥にある『共通の骨組み』を見抜く力のこと」です。
昔ばなしには、共通の型があります。「欠乏がある→旅に出る→試練を乗り越える→帰ってくる」。この黄金パターンを繰り返すことで、子どもたちの頭の中に物語の型ができあがり、初めて聞く話でも「もうすぐ山場だ」と先回りして考えられるようになります。
「物語の骨組みをつかむ力さえあれば、どんな複雑な情報に出合っても、要点をつかんで自分のものにすることができます」



