ヒナタカの雑食系映画論 第229回

映画『マイケル』4DX感想! 実は“音楽映画にこそマッチする”理由。体感できるのはリズムだけじゃない

映画『Michael/マイケル』の4DXの魅力を解説しましょう!実は「音楽映画にこそ4DXがマッチする」ことを知ってほしいのです。(サムネイル画像は筆者撮影)

「細かい振動」と「上下左右の大きな動き」による「体感」がマシマシに!

『マイケル』を4DXで見るべき最大の理由は、マイケル・ジャクソンの楽曲とパフォーマンスの数々を、座席の「細かい振動」および「上下左右の大きな動き」により、「さらに体感できる」ことです。

言うまでもなく、音とは「空気の振動」のことであり、ライブ会場ではもちろん、家庭でスピーカーで聞く音楽も「耳だけでなく身体で感じる」ことができます。 今回の『マイケル』では、座席が文字通りに振動することで、劇中のライブを「さらに身体全体で(背中からも)感じられた」のです。
マイケル映画
『Michael/マイケル』 全国公開中 配給:キノフィルムズ (R), TM & (C) 2026 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.
しかも、本作はライブ以外のシーンから、楽曲のイントロ(または一部)が聞こえ出して、そしてライブ映像になった瞬間に「爆発」するかのような編集がされています。もちろん4DXではイントロ部分でも座席が振動しているので、「来るぞ来るぞ…!」と、その爆発に向けての期待感もより増している印象がありました。
マイケル映画
(R), TM & (C) 2026 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.
何より、座席はただブルブルと振動するだけでなく、「リズムに合わせて上下左右に動いている」ため、より「座ったままでノリノリになれる」のです。映画館では実際のライブのように立ち上がることは言うまでもなくマナー的にNGですが、4DXでは「ライブで立って全身全霊でリズムにノってマイケルを応援しているような」感覚さえ得られました。

特に、『スリラー』のシーンでは、マイケル本人はもちろんゾンビとして出演しているダンサーたちの動きもキレキレのため、ミュージックビデオの収録に「参加」しているような感覚もありました。
アッパーな楽曲では座席の動きはおおむねスピーディーな一方で、浮遊感のある『ヒューマン・ネイチャー』のパフォーマンスの場面では、座席の動きは比較的落ち着いた印象もあります。楽曲ごとに演出の違いも楽しめるでしょう。
さらに、『マイケル』における4DXの演出のうれしさは、実は座席の細かい振動および上下左右の大きな動きにとどまっていませんでした。ここからは、人によってはサプライズとも言える演出ではあるので、知りたくないという人は先に『マイケル』を4DXで体感することをおすすめします。

「フラッシュ」や「会場全体を吹く風」でライブを再現、そして「スモーク」の演出が過去最高レベルに!

4DXにはスクリーン斜め上にピカっと光が瞬く「フラッシュ」の演出があり、これをライブ会場の「スポットライト」に見立てた演出があるほか、取材におけるカメラのフラッシュをそのまま表現した場面もあります。ライブ会場でのマイケル自身の「輝き」が、よりダイレクトに「見える」役割を果たしているとも言えるでしょう。

そして、「劇場全体を吹く風」が、ライブ会場それぞれの「大きな空間の広がり」を感じさせるのです。風の演出を持ってして、「映画館のごく限られた空間」を、「何十倍も広いライブ会場」へと変えるような、もはや当時のマイケルのライブへとタイムスリップしたような感覚さえありました。
マイケル映画
(R), TM & (C) 2026 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.
かつ4DXでは、スクリーンの前にモクモクと煙が上がる「スモーク」の演出があります。具体的には『スリラー』のミュージックビデオの撮影において、「霧がかかる(撮影でスモークをたいている)」場面でも実にシンクロした使い方がされているのですが、それが全開になったのはラストです。

『バッド』のパフォーマンスにおいて、スモークがこれまでの4DXで見たことがないほどに「全放出」となっており、劇中の盛り上がりと同様に、座席の演出も併せて4DXが「最高潮」になっていました。

(あえて言うのであれば)4DXのここが物足りないかも?

ここまで『マイケル』の4DXを絶賛しましたが、アクション映画での派手で爽快なアトラクション的な楽しみ方とはやや異なるのは事実。あくまで「プラスアルファの魅力を与える」という塩梅ではあると思います。また、ドラマパートのほとんどで4DXの演出はなく、必然的に演出の数自体が少なめなため、物足りなさを覚える人もいるでしょう。

しかし、それも欠点と呼べるものではなく、音楽を体感するための4DXの演出としては、無理に過剰な演出をしない、丁寧に調整された「最適解」と言える演出だったと思うのです。ぜひぜひ、マイケル・ジャクソンのライブという映画館でこその体験に、2度とはないであろう4DXの「さらなる体験」もプラスしてほしいです。
ヒナタカ
この記事の執筆者: ヒナタカ
映画 ガイド
All About 映画ガイド。雑食系映画ライターとして「ねとらぼ」「マグミクス」「NiEW(ニュー)」など複数のメディアで執筆中。作品の解説や考察、特定のジャンルのまとめ記事を担当。2022年「All About Red Ball Award」のNEWS部門を受賞。 ...続きを読む
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