「いい子」ほど危ない? 高校生8割が愛想笑いで電池切れ。登校しぶりを招く“同調”の疲れの守り方

高校生を対象とした意識調査で、約8割が「学校に行きたくない」と感じた経験があると回答しました。その背景には、愛想笑いや時間制限のない交友関係による、「対人疲れ」や「ソーシャル・バッテリー」切れの実態があるようです。(画像出典:写真AC)

高校生のバッテリーを最も急激に消費させる要因は、周囲への「無理な同調」

学校生活で相手に気を遣い「無理して笑った」経験
※単一回答
学校生活で相手に気を遣い「無理して笑った」経験が「ある」と回答した高校生は38.5%、「ときどきある」も同じく38.5%で、合計77.0%が愛想笑いを経験していました。多くの高校生が、日常の中で感情を押し込みながら笑顔をつくった経験があることがうかがえます。
愛想笑い
※単一回答
さらに、愛想笑いをしたことがある人の中で「自然な会話より疲れる」と答えた高校生は72.7%に上りました。その場の空気を壊さないために無理に反応を続けることが、強い消耗につながっている様子がうかがえます。

実際、自由回答でも、笑顔の裏にある気疲れを訴える声が寄せられました。

ずっとニコニコしてたら『人生辛いことなさそうよね』って言われて。好きでずっとニコニコしてるわけじゃないのにって思いながら毎日を過ごしていました。トイレなど1人になれるときに真顔になったり、疲れが一瞬で押し寄せてきました(広島県・高3女子)

無理して笑うことは、その場を円滑にやり過ごす手段である一方、1人になった瞬間に反動のような疲れを生むこともあるようです。

最も愛想笑いが起きる場面は「興味がない話に合わせるとき」

具体的にどういった場面で「愛想笑い」が必要になっているのでしょうか。
愛想笑いが起きやすい場面
※本アンケートは複数回答形式のため、合計が100%を超える場合があります
愛想笑いが起きやすい場面を複数回答で尋ねると、最多は「愚痴や自慢など、興味がない話に合わせるとき」で60.0%にのぼります。次いで「親しくない同級生と話すとき」50.0%、「いじりや冗談を本当は嫌だけどやり過ごすとき」45.0%、「先生や先輩など目上の人と話すとき」41.3%という結果でした。

愛想笑いでやり過ごすしかない瞬間

自由回答からも、愛想笑いが必要になる場面の切実さが伝わってきます。

他人の悪口を聞かされた時に、否定したら別の場所で悪い事を言われるなと感じて愛想笑いをせざるを得なかった(神奈川県・高3女子)

本当は同意したくなくても、その場で否定すれば自分が不利になるかもしれない。そうした空気の中で、笑ってやり過ごすしかないと感じる高校生は少なくありません。

また、教室内の人間関係の微妙な距離感も、気疲れの大きな要因になっていました。

三人組で、私以外の2人が仲良くて知らない話をしてるから(福島県・高3女子)

 仲のいい2人組と自分で3人グループを作らされた時は疲れた(長野県・高1女子)

 相手が明らかに自分と関わりたく無さそうにしているのを横目に見ながら、それでもグループワークで会話しなければならない時(東京都・高1女子)

こうした声から見えてくるのは、目立ったトラブルがなくても、教室の中では常に空気を読み続ける負担があるということです。

波風を立てないように振る舞い、自分が浮かないように気を配り続けることが、高校生のソーシャル・バッテリーを大きく消耗させていると考えられます。
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「部屋にこもる」は正解だった? 疲弊した高校生がたどり着いた究極の回復法
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