「いい子」ほど危ない? 高校生8割が愛想笑いで電池切れ。登校しぶりを招く“同調”の疲れの守り方

高校生を対象とした意識調査で、約8割が「学校に行きたくない」と感じた経験があると回答しました。その背景には、愛想笑いや時間制限のない交友関係による、「対人疲れ」や「ソーシャル・バッテリー」切れの実態があるようです。(画像出典:写真AC)

6割以上の高校生が「対人疲れ」。背景にある24時間営業のような社交状態

学校生活の中で「もうこれ以上はしんどい」と感じる
※単一回答
学校生活の中で「もうこれ以上はしんどい」と感じることが「よくある」と回答した高校生は26.0%、「ときどきある」が34.6%で、合計60.6%が対人疲れを経験していると回答しました。過半数の生徒が、日常的なコミュニケーションの中で限界を感じていることがうかがえます。

海外で浸透する「ソーシャル・バッテリー」とは

海外で浸透する「ソーシャル・バッテリー」
こうした「もうこれ以上、人と関わるのはしんどい」「誰とも話したくない時間がある」という状態を表す言葉として、海外のSNSを中心に「ソーシャル・バッテリー(Social Battery)」という概念が広く使われています。

これは、人と関わるために必要なエネルギーを「充電式の電池」に例えた言葉で、欧米では会話の中で「My social battery is drained.(ソーシャル・バッテリーが切れた)」と伝えて予定を切り上げるなど、自分の心を守るための身近な概念として浸透しています。

まさに今の日本の高校生たちは、この"目に見えない電池"を激しく消耗させている状態と言えます。

「1人になった瞬間に……」常に気を張る高校生たち

自由記述からも、学校生活で常に気を張り、バッテリーを消耗している様子がリアルに伝わってきます。

 1人になった瞬間に疲れが一気にくる(埼玉県・高1男子)

人の表情や感情の動きなどに敏感で、顔色を伺いながら生活してる(埼玉県・高3女子)

基本的に人と話すと疲れる。相手のテンションに合わせて盛り上げたりすると疲れる(東京都・高2女子)

人とコミュニケーションをとる中でその場の空気を壊さないために心をすり減らし、ソーシャル・バッテリーを消耗している様子が伝わってきます。

放課後・休日もSNSでつながり続け、2人に1人がバッテリー切れ

「帰宅後や休日でも、LINEやSNSで人とつながっていることで『ソーシャル・バッテリーが削られている』と感じる」
※単一回答

その消耗は学校内にとどまりません。「帰宅後や休日でも、LINEやSNSで人とつながっていることで『ソーシャル・バッテリーが削られている』と感じる」と答えた生徒は51.9%となりました。

一昔前は、校門を出れば「学校の人間関係」からは解放されていました。しかし現在は、帰宅後もSNSを通じてクラスの空気感や友人との会話が続きます。

「1人になってもバッテリーを充電できない」という“24時間営業”のような社交状態が、高校生たちの慢性的なエネルギー不足を引き起こしている要因と言えるでしょう。

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「好きで笑ってるわけじゃない」8割が経験する愛想笑いの苦しい本音
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