「金額は分かっていたが、返済が始まってから重く感じた」という声
奨学金を利用する場合、保護者や本人の多くは「ある程度まとまった金額になる」こと自体は理解したうえで選択しています。
その一方で、実際に利用した人たちの回答からは、総額として理解していた金額と、社会人になってから実感する負担感とのあいだにギャップがある実態が浮かび上がりました。
金額に対する想定外・後悔の実感コメント
思ったより返済額が多く、今になっては大学に行かなくて良かったのではないかと思ってしまう。(マチカフェさん滋賀県社会人7年目)
返していくにあたって、かなりの金額を給料から引かれてしまうので、できれば利用したくはなかったです。(きゃおんさん兵庫県社会人1年目)
奨学金を借りることは当たり前だと思っていたが、いざ返済してみると負担になっており、給付型の物にしたかったなと思う。(oneday_goさん大阪府社会人4年目)
これらの声から見えてくるのは、金額そのものよりも、「返済が始まった瞬間」に感じる重圧です。
「社会人になれば月々数万円くらい返せる」という学生時代の想定は、多くの場合、額面給与だけを見た楽観的な予測に基づいているもの。しかし現実は、社会保険料の控除や昨今の物価高騰により、手元に残る「自由なお金」は想像以上に限られます。
給与から返済分が差し引かれ続けることで、初めて「長期にわたる負担」として実感されるのです。
ここからは、こうした借入総額が、毎月いくら・どれくらいの年数にわたって返済されているのかに焦点を当て、若者の生活に及ぼす影響をより具体的に見ていきましょう。
返済期間は10年以上が6割、平均月1.7万円返し続ける
奨学金の負担は、借入総額だけで決まるものではありません。実際の生活のなかで重く感じられるのは、毎月いくらを返し続けているのか、そしてそれが何年続くのかという点です。
社会人になってから、家賃や生活費などと並んで奨学金の返済が固定支出として家計に組み込まれ、それが返済し終わるまで続くことになります。
今回の調査では、月々の返済額と返済期間についても尋ねました。
奨学金の返済額の平均は毎月約1.7万円
月々の返済額として最も多かったのは「1万円以上〜1万5千円未満」(40%)でした。次いで、「1万5千円以上〜2万円未満」(24.7%)「2万円以上~3万円未満」(17.6%)で、1万5千円以上と回答したのは54.1%と半数を超えていました。平均額は、約1.7万円です。
奨学金の返済期間が10年以上続くのは約6割
調査結果を見ると、奨学金の返済期間は10年を超えるケースが少なくありません。
特に目立つのは、「10年以上〜15年未満」(33%)「15年以上20年未満」(12%)「20年以上」(14%)と、10年以上の長期返済層は約6割で、社会人としてのキャリア形成期と返済期間が重なっている実態が浮かび上がります。
就職・転職、結婚、出産といったライフイベントを迎える時期と、奨学金返済が並行することは珍しくなく、返済期間の長さが将来設計に影響を与えていることがうかがえます。



