私が急に入院したら? 「11月1日」に考えておきたい、誰も愛犬を助けられない「法律の壁」の乗り越え方

愛犬家の多くは、もし自分が倒れたら飼い犬がどうなるか心配でしょう。実は、一人暮らし家庭では犬たちが孤独死の道連れになるなど悲しい事件が発生しています。『私が死んだあとも愛する犬を守る本』から現状と対策を紹介します。(画像出典:PIXTA)

犬に遺産は渡せない

飼い主にとって犬は大切な家族ですよね。

ですが、日本の法律ではペットは物として扱われます。飼い主が所有する財産のひとつという扱いです。家具や宝石など命がないものと同じに扱われるのは違和感がありますし、異存は大いにありますが、とにかく現状の法律ではそうなっています。
 
そして日本の法律では、財産を渡せるのは人や団体に限られています。法律上“物”であるペットに直接遺産を渡すことはできません。そのため遺言書に「ペットに遺産を渡す」と書いても無効になってしまいます。

ではどうすればよいのか。あなたの代わりにペットを世話してくれる人を見つけて、その人に遺産を渡す必要があります。
 
人間の子どもなら、大きくなれば独り立ちできますが、ペットはいつまで経っても世話が必要な永遠の子ども。あなたという飼い主がいなくなったその日から、食べるものにも困る存在です。そんな存在を守り抜くには用意周到な計画が必要になります。

万一のとき、愛犬を託せる人を決めておこう

ここまでで、愛犬を守るためには対策が必要であることはわかっていただけたと思います。

自分が死んでしまったり認知症になったり、体の自由が利かなくなり要介護状態になったりしたときに、愛犬のお世話を託せる人を見つけ出さなくてはなりません。飼育費用や犬を渡す段取りも必要ですが、何より大切なのが愛犬を託せる人を見つけ出すことです。
 
理想は、犬好きで犬の飼育経験があり、犬アレルギーはなく、健康に問題のない人。できれば自分より下の世代の人。何より、あなたと信頼関係があることが大切です。かわいがっている犬を託すのですから、信頼できる人にしか渡せませんよね。
 
離れていても家族や親戚がいる人は、まずは、そのなかから最適と思う人に打診してみましょう。頼みたいことがあると伝え、直接会ってお願いしてみてください。

大切な話ですから、会って話すのが一番です。第一候補の人に断られたら第二候補、というふうに順番に打診してみましょう。
 
犬を飼っている友人どうしで「万一のことがあったら、互いの犬を引き取る」という約束を交わしてもよいでしょう。犬の飼育経験がある人なら安心ですし、犬を大切に思う気持ちも理解してくれるはずです。

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愛犬を託すと決める前に必ず確認したいこと
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