王道アイドル性と“陰”を両立するTXTのすごさ
矢野:王道のアイドル性と“陰”の表現が同時に成り立っているのもTXTのすごさだと考えています。全員が華のあるビジュアルで、ファンタジー要素の強い衣装も見事に着こなす。そういう王道のアイドル的側面も確かにあるといえばあるのですが、同時に“混沌(こんとん)の中での恐れや選択”“自己の探求”といった“陰の部分”も表現しているんです。「今日も明日も元気いっぱい!」といった音楽も必要ですが、僕自身はそういう元気一辺倒な感じには少し距離を感じてしまうタイプです。人間って、調子がいい時もあればそうでない時もありますよね。TXTの曲は光と影を描いてくれるから、自分事として共感できます。
ゆりこ:ビターな“陰”の部分に惹かれるファンは多いと思います。スターとしての華やかさと、陰を抱えた人間らしさ。その両面を見せてくれるのがTXTの魅力なのでしょうね。以前EXOを取り上げた回で、ミュージックビデオの考察文化についてお話ししましたが、TXTのミュージックビデオも考察が捗るものばかり。彼らを題材にしたWEBトゥーン『THE STAR SEEKER』発表後は、そこと連動している作品も増えました。最新アルバム『The Star Chapter: TOGETHER』のConcept Trailerでは「王冠」や「ツノ」など初期の作品を象徴するものが出てきて、個人的にグッときました。
矢野:考察することもファンにとっては楽しみの1つ。そして僕はYouTubeチャンネルやWeverseライブで見られる、素の姿もTXTの大きな魅力だと思います。メンバー全員のキャラクターが最高なんですよ。飾らない彼らを見ると、心なしか距離がグッと近づく感じがします。
ゆりこ:確かに、TXTは『TO DO ×TXT』『T:TIME』など配信コンテンツを通して、自然体な姿をたくさん発信していますよね。ファンが世界中どこにいても「自分の隣にいるような存在」に感じられるのは5人の人柄ゆえですが、そこに加えてセルフプロデュース力の高さも感じます。
矢野:手が届きそうで届かない……。だからこそどんどん追いかけたくなる絶妙な距離感は、きっと彼らのプロデュース力の高さゆえなのかなと。グループとしてはもちろん、メンバーそれぞれのソロ活動も魅力的で、例えば、4th Album『The Star Chapter: TOGETHER』には5人それぞれのソロ曲が収録されています。ぜひ聞いてみてください。これからもTXTがつむぐ物語から目が離せません!
【ゆるっとトークをお届けしたのは……】
K-POPゆりこ:韓国芸能&カルチャーについて書いたり喋ったりする「韓国エンタメウオッチャー」。2000年代からK-POPを愛聴するM世代。編集者として働いた後、ソウル生活を経験。
編集担当・矢野:All Aboutでエンタメやビジネス記事を担当するZ世代の若手編集者。物心ついた頃からK-POPリスナーなONCE(TWICEファン)&MOA(TOMORROW X TOGETHERファン)



