「やっぱり地頭?」長男を塾なしで開成中学へ導いた“8人きょうだい父”の答え

8人きょうだいの長男が通塾なしで開成中学校へ合格したオトクサさん。受験するまでのプロセスをブログで発信すると、「地頭がいいんですね」とコメントをもらうことが多いそう。今回は8人の子どもを育てながら感じた「地頭の違い」について伺いました。

8人きょうだいを育てるオトクサさん。自宅での勉強をメインに取り組む中で、地頭の違いを感じたことはあるのでしょうか。 
きょうだいの違いイメージ
「同じように育てても、不思議ときょうだいで違いが出てくる」とオトクサさん

地頭だけでなく、性格にも違いがある

オトクサさんは、「性格の違いも含めて、地頭の違いを感じたことがある」と語ります。
 
「特に違いを感じるのは、ものを教えたときのリアクションです。全部説明して理解できる子もいれば、少し説明すれば分かる子もいる。後者はいわゆる『地頭がいい』ということなんでしょう。あとは、暗記の得意・不得意の違いです。キーワード同士をひもづけるのが容易で、1問1答ではなくつなぎ合わせた回答ができると違いを感じますね」
 
しかし、オトクサさんは「これはあくまで自分が感じた地頭の違いで、より広い世界で見たらどう異なるかは分からない」と語ります。
 
「僕が感じた8人きょうだいの違いは、10段階ある地頭の違いのうち、9と8の差かもしれないし、9と1の差かもしれない。もしかすると1と2なのかも。
 
中学受験をしていると、『地頭がよくないから、毎日コツコツ努力して成果を出しました』と言う方がいます。一方で、『毎日努力できる時点で地頭がいい』と感じる家庭があるのも事実だと思います。人によって基準は異なると思います」

ハッパをかけるのも褒めるのも、比較が基準

地頭の違いを親が認識すると、子ども同士をつい比較してしまいそうです。オトクサさんはそれを悪いことと捉えておらず、「僕たちは比較をするのが当たり前」と語ります。
 
「『この時期、上のお兄ちゃんはここまでやっていた』と勉強の進捗(しんちょく)具合を比較することもあるし、『それと比べたら、全然勉強が足りてないじゃん』と指摘することもありますね。もちろん褒めることもあって、『三男は社会科の暗記が得意だね』と伝えることも。子どもたちはそれをマイナスに受け取らず、『みんな違って当たり前』くらいのニュアンスで感じていると思います」
 
きょうだいで成績に差があると、どうフォローすべきか悩みます。特に受験シーズンになると、偏差値ばかり気にしてしまうケースも。オトクサさんは「子どもが努力できたかを見ていきたい」と語ります。
 
「きょうだい間で、志望校に合格できたかという結果の違いは今後必ず生じるはず。でもその違いを地頭のせいにするのは違う気がするんです。『ベースが違っても、目標に向かって努力する』のは全員同じ。だからこそ、どれだけ努力できたかを、親として見ていきたいですね」
 
100%の努力をして、知識が100だけ身に付く子と、30しか身に付かない子がいるのは自然のこと。それでもオトクサさんは、「100%努力する部分はみんなできるはずだから、頑張ろう」と呼びかけると言います。
 
しかし、努力の基準も人それぞれ。画一的な評価はなかなかできません。
 
「集中力が続かない子であれば、『これだけ精いっぱいやったんだから、今日はもう終わりにしよう』と判断することもあります。結果を出すために勉強時間を長くするのではなく、あくまで子どもの力に合わせるようにしています」
 
現在は、長男に続いて次男と三男も中学受験勉強中だと言うオトクサさん。
 
「もしあまり頑張らずに合格したとしても、僕は親としてあまり喜べないと思うんです。努力した結果を得ることが、子どもにとって一番大切なことなのではないでしょうか」
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地頭の違いで勉強のフォローはどう変わる?
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