なぜイライラしない? 塾なし開成を実現した8人きょうだい父の、親が「疲弊しない」子育てルール

子どもの勉強を見ていると、「どうしてそんな簡単な問題を間違うの?」と思わずカッとなることがあります。今回は、8人きょうだいの長男が通塾なしで開成中学校へ合格したオトクサさんに、イライラする気持ちを切り替える方法を伺いました。

8人きょうだいの長男が通塾なしで開成中学校へ合格したオトクサさん。親が子どもの勉強を管理するとイライラする機会が増えそうですが、実際には叱る場面が少なかったと言います。
開成合格させた父の「ストレスをためない」中学受験サポートとは
「ストレスをためない」中学受験サポートとは(画像出典:PIXTA)

通塾しない分、親のストレスは少ない

「塾に通っていないからライバルは見えないし、成績別のクラス分けもないから焦らなかったんです。塾の費用がかからないから『お金を払っているのに』と苛立ってしまうこともありません。それが功を奏したと思います」

子どもたちのテスト結果についても、驚くことはあっても気持ちの浮き沈みは少なかったそう。「もともと僕のメンタルが強い方だからかも」と語るオトクサさんですが、「テストの点数で叱らない」と決めていました。

「テスト結果は、問題の難易度によってアップダウンするもの。テストの点数に踊らされず、その違いをきちんと把握しなきゃいけないと思います。もちろんカッとなる場面もありますけど、『実力不足だったんだな、仕方がないな』と言う気持ちが先行します」

そんなオトクサさんが子どもたちを叱るのは、「約束を守れなかったとき」です。

「『算数の問題を解くときは、図と表を書こう』と決めたのにやっていなかったり、『勉強が終わったら遊びに行く』と約束したのに守らずに遊びに行ったり。そういうときは叱ります」

勉強する態度は叱り、テスト結果や勉強内容については叱らない。

保護者が「子どもを叱る基準」を明確に設けることで、過度なイライラは抑えられるのかもしれません。

基本はストレスをためこまないスタイル

オトクサさんに、「子どもを強く叱ることはなかったですか?」と尋ねると、「あります。うちは言いたいことは何でもその場で伝える環境なので、僕はすぐに叱るし、みんなすぐに文句を言いますよ」と笑います。

妻と意見が合わなかった際も子どもの前でけんかするそう。子どもたちが「今のはオトクサが悪い」と賛同したり、批判したりすることもあるのだとか。

また、子どもが勉強をしている場面でも、「なんでそんな間違え方をするんだ?」と感じたら、「あほちゃうか!」と叱ることがあると言います。

「僕が関西出身だからというのもあるんですけど、気遣って優しく伝えることはありませんね」

ただ、「子どもが8人いるので、その子の性格に合わせてニュアンスを多少変えている」と言います。

「『あほちゃう?』と言ったら、『あほちゃうわ』と言い返す子もいれば、しっかりと凹むタイプの子もいます。後者にはそういう声掛けをしないように心がけていますね。例えば、長男と次男は『アホやろ』と伝えた方が、ナニクソと勉強する意欲が増すタイプですが、三男は委縮して簡単な問題も解けなくなるタイプ。なので、正解したときは拍手したりしてフォローしています」
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子どもを叱る? 褒める? 4つのタイプ別に考える
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