
通塾しない分、親のストレスは少ない
「塾に通っていないからライバルは見えないし、成績別のクラス分けもないから焦らなかったんです。塾の費用がかからないから『お金を払っているのに』と苛立ってしまうこともありません。それが功を奏したと思います」子どもたちのテスト結果についても、驚くことはあっても気持ちの浮き沈みは少なかったそう。「もともと僕のメンタルが強い方だからかも」と語るオトクサさんですが、「テストの点数で叱らない」と決めていました。
「テスト結果は、問題の難易度によってアップダウンするもの。テストの点数に踊らされず、その違いをきちんと把握しなきゃいけないと思います。もちろんカッとなる場面もありますけど、『実力不足だったんだな、仕方がないな』と言う気持ちが先行します」
そんなオトクサさんが子どもたちを叱るのは、「約束を守れなかったとき」です。
「『算数の問題を解くときは、図と表を書こう』と決めたのにやっていなかったり、『勉強が終わったら遊びに行く』と約束したのに守らずに遊びに行ったり。そういうときは叱ります」
勉強する態度は叱り、テスト結果や勉強内容については叱らない。
保護者が「子どもを叱る基準」を明確に設けることで、過度なイライラは抑えられるのかもしれません。
基本はストレスをためこまないスタイル
オトクサさんに、「子どもを強く叱ることはなかったですか?」と尋ねると、「あります。うちは言いたいことは何でもその場で伝える環境なので、僕はすぐに叱るし、みんなすぐに文句を言いますよ」と笑います。妻と意見が合わなかった際も子どもの前でけんかするそう。子どもたちが「今のはオトクサが悪い」と賛同したり、批判したりすることもあるのだとか。
また、子どもが勉強をしている場面でも、「なんでそんな間違え方をするんだ?」と感じたら、「あほちゃうか!」と叱ることがあると言います。
「僕が関西出身だからというのもあるんですけど、気遣って優しく伝えることはありませんね」
ただ、「子どもが8人いるので、その子の性格に合わせてニュアンスを多少変えている」と言います。
「『あほちゃう?』と言ったら、『あほちゃうわ』と言い返す子もいれば、しっかりと凹むタイプの子もいます。後者にはそういう声掛けをしないように心がけていますね。例えば、長男と次男は『アホやろ』と伝えた方が、ナニクソと勉強する意欲が増すタイプですが、三男は委縮して簡単な問題も解けなくなるタイプ。なので、正解したときは拍手したりしてフォローしています」