恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」 第117回

カーブの謎、駅ナンバリング逆転…「新京成」改め「京成松戸線」に隠された10の意外な見どころ

2025年4月1日、千葉県の松戸駅~京成津田沼駅間を結ぶ新京成電鉄は京成電鉄と合併し、京成電鉄松戸線として生まれ変わった。カーブが多く、個性的なピンク色の車両が特徴のこの路線について、これまであまり知られていなかった話題をまとめてご紹介する。

10. 沿線随一の名所・鎌ヶ谷大仏

鎌ヶ谷大仏
日本一小さな大仏・鎌ヶ谷大仏
いくつもの団地や住宅地を結び、通勤通学路線の趣が濃い京成松戸線にあって、唯一ともいえる観光名所が鎌ヶ谷大仏だ。建立されたのは江戸時代でおよそ250年の歴史をもつ。

路線が開業した時に、少しでも行楽客を呼び込もうと駅名も鎌ヶ谷大仏駅としたのだが、およそ大仏とは言えないほど小さな仏像で高さは1m80cmしかない。
鎌ヶ谷大仏駅
駅舎内に店舗もある鎌ヶ谷大仏駅
駅から至近距離の墓地内にあるが、うっかり通り過ぎて見つけられない人も少なくないとか。がっかり名所などと揶揄(やゆ)されることもあるが、「大仏とされる仏像で、石像以外では日本一小さい」と地元では自慢する。大仏コロッケなる名産品もあるし、駅の改札口脇のパン屋では「大仏」の刻印を押した「プレミアムあんぱん」も販売している。
あんぱん
大仏の刻印があるプレミアムあんぱん。駅改札口付近のパン屋で販売中​​​​​
都市郊外の地味な通勤通学路線と思われている京成松戸線は、新京成電鉄の吸収合併によりがぜん知られるようになった。沿線をつぶさに見て回ると、思わぬ発見もあり、たまには散策してみるのも楽しいであろう。
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この記事の筆者:野田隆
名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL「D51」を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、『ヨーロッパ鉄道と音楽の旅』(近代文芸社)を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。近著に『シニア鉄道旅の魅力』『にっぽんの鉄道150年』(共に平凡社新書)がある。
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