カーブの謎、駅ナンバリング逆転…「新京成」改め「京成松戸線」に隠された10の意外な見どころ
2025年4月1日、千葉県の松戸駅~京成津田沼駅間を結ぶ新京成電鉄は京成電鉄と合併し、京成電鉄松戸線として生まれ変わった。カーブが多く、個性的なピンク色の車両が特徴のこの路線について、これまであまり知られていなかった話題をまとめてご紹介する。
7. 異彩を放つピンクの電車
ピンク色が鮮やかな元新京成カラーの電車
新京成時代の2014年にコーポレートカラーが制定された。メインカラーはジェントルピンクで、駅名標やラインカラーのみならず、車体の色にも取り入れられた。電車の色でピンクを使う例は多くないので異彩を放っていた。
京成電鉄になって以後、まだまだピンクの電車は主力だが、少しずつ京成カラーに塗色変更する方針のようだ。写真を撮るなら今のうちであろう。
8. 数多い乗換駅、読み方が異なる八柱と新八柱
JR武蔵野線との乗換駅は八柱(やばしら)駅
京成松戸線は北西の終着駅・松戸駅ではJR常磐線、南東の終着駅・京成津田沼駅では京成本線、その1つ手前の新津田沼駅ではJR総武本線と接続している。それ以外にも、新線が開業するに従い中間駅で乗り換え都心へ向かう利用者が激増していった。
八柱駅ではJR武蔵野線(駅は新八柱駅)、新鎌ヶ谷駅では、北総鉄道および東武野田線(かつては交差するものの駅がなかった)、北習志野駅では東葉高速鉄道に乗り換えができ、利便性は向上したものの、京成電鉄にとっては利用客の減少につながっている。
コロナ禍や少子高齢化の影響もあり、かつては8両編成の電車もあったのに、現在はすべて6両編成と短縮化されている。
JR武蔵野線の駅は新八柱(しんやはしら)と「ば」ではなく「は」と濁らない
乗換駅で双方の駅名が異なるのは八柱駅だ。面白いことに京成松戸線は八柱(やばしら)駅、JR武蔵野線は新八柱(しんやはしら)駅で「は」と濁らない。
9. 大規模団地の最寄り駅
今も残る「公団」という用語
京成松戸線沿線には巨大な団地がいくつもある。その最寄り駅の代表は常盤平駅および高根公団駅だ。常盤平団地、高根台団地ともに当時の日本住宅公団が造成したものだ。通称「公団住宅」と呼ばれ一世を風靡(ふうび)したので、高根公団駅と名乗っても何ら問題はなかった。
常盤平駅前から南に延びる緑豊かな並木道
しかし、時代は変わり、日本住宅公団は組織の変更に伴い、現在では都市再生機構(UR)となり、UR賃貸住宅などと呼ばれている。公団の名は消えてしまったにもかかわらず、高根公団駅として駅名にのみ残っている。北九州モノレールにも徳力公団前駅があり、どちらも駅名を変更することなくかつての面影を伝えている。