恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」 第114回

「たのしーと」って何? 5両編成化の懸念は? 東武野田線の新型車両「80000系」を徹底解説

東武野田線に新型車両80000系が登場、このたび報道陣に公開された。キャッチコピーは「人と地球によりそう電車」。沿線に多く暮らす子育て世代の家族が快適に利用できるようなデザインと車内設備が個性的だ。

東武野田線とは?

80000系
お披露目された80000系。南栗橋車両管区七光台支所(千葉県野田市)にて
東武野田線(愛称「東武アーバンパークライン」)に新型車両80000系が登場した。東武野田線は大宮(埼玉県)から春日部、野田市、流山おおたかの森、柏、船橋(千葉県)とJR武蔵野線の外側を北から東に向けて環状に走る路線だ。

都心に向かうには、大宮、春日部、流山おおたかの森、柏、新鎌ケ谷、船橋で各路線に乗り換える必要があるが、緑豊かな住宅地が点在していて、特に若い子育て世代に人気がある。沿線には大宮公園、清水公園といった公園もあるので、東武アーバンパークラインという愛称が付いている。

新型車両80000系の特色

80000系の顔
スタイリッシュな80000系の顔。左端の非常扉ガラス窓が一段低い位置まで下がっているのに注目
新型車両80000系は、スタイリッシュな前面が特徴だ。すでに野田線を走っている60000系で採用されたフューチャーブルーとブライトグリーンのカラーリングを踏襲し、野田線のイメージアップに貢献している。正面をよく見ると、左端の非常扉の窓が運転台の窓よりも一段低い位置まで下がっている。
運転台後ろ
右端のガラス扉が一段低い位置まで下がっているので、幼児でも前面展望が楽しめる
車内に入ると、運転台後ろの窓位置も同様に低くなっている。これは、背の低い幼児でも1人で立ったまま前面展望が楽しめるようにとの配慮だ。
たのしーと
4号車の車端部にある「たのしーと」
子どもへの配慮はこれだけではない。4号車には「たのしーと」というコーナーが車端部の2カ所に設置される。普通の電車でもよく見かけるクルマ椅子&ベビーカー用のスペースを発展させたものだ。

普通の車両は、ここには座席がないのだが、「たのしーと」には1人掛けのシートがある。車内を向いて座ることも、あるいは窓を向いてクロスシートのように座ることもできる。子どもが座ってもよいし、ベビーカーを持ち込んだ母親がここに腰かけてくつろぐことも可能だ。子ども部屋をイメージした楽しくワクワクするようなイラストが楽しい。
たのしーとのある部分の外観表示
「たのしーと」のある位置は水玉模様の外観で一目瞭然
ホームで電車を待っているとドアの脇に水玉模様の外観が目に入るので、「たのしーと」の停止位置は一目瞭然だ。
4号車外観
「たのしーと」のある4号車の外観
車内見通し
「リビング」をテーマとしたインテリア
ほかの車内もリビングをテーマとした気持ちが安らぐような落ち着いた客室空間である。ドア脇の仕切りは透明な板となっていて、横に線が並んだような模様である。これは、野田線の全35駅と同じ数になっているとのこと。遊び心満載だ。
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新型車両80000系に向けられる懸念の声とは
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