『親子で勝ち取る最高の合格』#1
中学受験ほど、「軸」が必要なものはない!
これは私が20年以上、中学受験の現場を取材し続けて得た実感です。
中学受験で、実際に受験をするのは子どもです。でも、受験のレールを敷き、サポートするのは親の役目。
「受験」という過酷なレースに親子で一緒に挑むからこそ「偏差値」に振り回されたり、周りの子と成績を比べて落ち込んだり。日々入ってくるさまざまな情報に敏感になってしまい、家族間ですれ違いが起き、何のために受験しているのかわからなくなっていく……。こうして「中学受験の沼」にハマる親子を何組も見てきました。
だからこそ、中学受験を成功させるためには「何のために受験するのか」という「受験軸」が欠かせません。
この受験軸さえ見失わなければ、どんな結果になっても後悔しないといえるのです。
成績不振、やる気がない……軸をつくると「悩み」が消えていく
・他の子と比べて、子どもの成績にムラがある
・子どもが自分で受験を始めたのに、やる気にならない姿にイライラ…
・受験や生活のことで、親子でケンカが絶えない
受験軸をつくると、こうした悩みも消えるといったら、驚かれるでしょうか。 なぜ、受験軸によって悩みが消えていくのか。順を追って説明していきますね。
まず、受験軸は「何のために受験をするか」「どう受験するか」という家庭での軸です。拙著『親子で勝ち取る最高の合格』で詳しくお話ししていますが、この軸は必ず子どもと一緒に決めます。
一緒に決める、つまり一部であっても「子どもが自己決定すること」で、子どものやる気が出るようになります。すると「子どもがやる気にならない」という悩みが消えていくのです。
子どもが最もやる気になるのは、「親の言いなり」ではなく、自分でどういう受験にするか自発的に決めたときです。
自発的に決められれば、ときには疲れてダレたり、モチベーションが低下したりすることもあるでしょうが、また復活できます。
また、受験軸を決めることは、受験勉強の理由(動機)を決めることでもあります。
勉強の動機と成績には深い関係があるのをご存じでしょうか。ある調査では、「勉強をすることが楽しいから」「自分の夢をかなえたいから」などの自律的な動機で勉強する子どもの成績が、動機がないまま勉強をする子より高いということがわかりました。
当然の結果と言えるかもしれませんが、自分で決めた軸(動機)をベースに、受験に向かうことで成績も上がりやすくなるといえるでしょう。