国産(青森県産)にんにくの特徴は?
1つ約50グラムで税抜198円(購入時)でした。寒冷地のにんにくらしい、真っ白で美しい見た目です。
中国産にんにくの特徴は?
こちらは中国の主なにんにく生産地である山東省で収穫されたもの。中国産は量産体制による農薬の大量散布など安全性も気になるところですが、本商品は契約農園での特別栽培農産物に指定されているそうで、タグの裏面には農薬の使用目的や回数なども明記されていました。
イタリア産にんにくの特徴は?
・国産(青森県産)→刺激臭が少なく、やや甘さのあるマイルドな香り
・中国産→刺激臭は少なく、やや薫製のような香り
・イタリア産→3種類の中では一番マイルドな香り
「にんにく水」で飲み比べてみた
2024年6月に放送された『あしたが変わるトリセツショー』(NHK)にて、「にんにくの香りのもとである「アリイン」はコク味物質でもあり、スライスしてお湯に入れるとうまみが増す」との紹介がされていました。
そこで筆者も同番組にならい、上記3種類のにんにくをスライスしてお湯に入れ、飲み比べてみました。作り方は、沸騰したお湯500ミリリットルににんにくスライス約3グラムを入れて5分待つだけ。それぞれを小さなカップに入れたものがこちらです。
お湯の色が一番変わっていたのは中国産のもの。味も3種類の中ではにんにくのパンチが一番効いていて、にんにくらしさがありました。国産(青森県産)は、口当たりがまろやかで甘い印象。イタリア産は、にんにくの辛みがお湯に移り、キリッとした印象です。
また、中国産、国産(青森県産)のにんにくスライスは5分以内に沈みましたが、イタリア産はなぜかお湯に浮いていました。全て沈んだのは約20分後。理由は定かではありませんが、お湯を吸収しにくい品種ということなのでしょうか。
中国産にんにくと国産にんにくの違いとは?
中国産、国産、イタリア産という3種類のにんにくを比べてみました。産地や栽培環境の差はありますが、今回食べ比べたにんにくの場合、それぞれの品種系統が異なることが大きな違いだと挙げられます。
さらに、国産として青森県産の「六片種」を選びましたが、九州や四国で主流の「多片種」と比べれば、違う結果になる可能性があります。味の面での選び方としては、「にんにくのマイルドな甘みを楽しみたい時は国産」「にんにくらしいパンチを感じたい時は中国産」「キリッとした辛みを感じたい時はイタリア産」と使い分けるのが良いのではと感じました。
最後に、先ほどのにんにく水でパスタをゆで、ペペロンチーノを作ってみました。にんにくのホクホクとした食感とともにいつもよりうまみが濃いようにも感じられました。
にんにくは食べ過ぎると「アリシン」の作用で下痢や腹痛を引き起こす場合があるため注意が必要ですが、ぜひ一度、にんにくを産地違いで食べ比べてみてはいかがでしょうか。
この記事の筆者:田窪 綾 プロフィール
調理師免許を持つフリーライター。約8年間のレストラン・キッチン勤務経験を生かし、食分野を主軸に活動中。飲食店&新商品取材、オーナーインタビュー、グルメコラムを中心に、「ツギノジダイ」「近代食堂」など複数メディアで執筆を行う。