K-POP史に残る最強のデビュー曲から全ては始まった。デビュー16年目、今なお愛される「SHINee」の魅力

2024年3月に開催された6年ぶりの東京ドーム公演が大盛況で、今なおファンを増やし続けるK-POPグループ「SHINee」。デビュー16年目、彼らの「色あせない魅力」についてゆるっとトークします。※サムネイル写真:AP/アフロ

“SHINeeイズム”は最近の若手K-POPグループにも影響か

矢野:SHINeeの他グループへの影響についても話していきたいのですが、特に『Replay』『Juliette』など初期のスタイルは、最近の若手ボーイズグループを見ていると「参考にしているのかな?」と思うことがあります。

ゆりこ:初期のTOMORROW X TOGETHERなどは顕著ですよね。王者BTSが君臨する中で生まれた“期待の弟分”。東方神起が無双していた時期にデビューしたSHINeeとも近い状況で、選んだ戦略として「大正解」だと思いました。TOMORROW X TOGETHERのデビュー盤も色あせない名曲ばかりです。

矢野:最近デビューしたNCT WISHもSHINeeの影響を受けているように感じます。楽曲の雰囲気やMVのクリエイティブはSHINeeのそれに近いような……。

ゆりこ:主にボーイズグループの話をしましたが、実は私が近年1番“SHINeeイズム”を感じたのはNewJeansのデビュー曲『Attention』です。MVを見た瞬間、初めて『Replay』のMVを見たときのように鳥肌が立ちました。ミン・ヒジンさん(NewJeansの総括プロデューサー)はSHINeeのアートディレクターでもあったので、当然といえば当然かもしれません。NewJeansの所属レーベルADORがHYBE傘下なのでどうしてもBTSと関連付けて報道されることも多いですが、系統的には「SHINeeのめいっ子」という感じに見えるのです(異論は受け付けます!)。

矢野:2022年に彗星(すいせい)のごとく現れたNewJeansは、それまでK-POPの特徴とされてきた「ガールクラッシュ・強くかっこいい女性像」などの要素は見られないある種の“新しいK-POPグループ”だと思っています。デビュー当初「脱・SMスタイル」を狙っていたというSHINeeとどこか似た雰囲気を感じずにはいられません。

ゆりこ:そしてSHINeeはカムバック(新曲発表)のたびに斬新な曲を出してきたので、ぜひ最新曲『HARD』も含め聴いていただきたいです。これまでの代表曲をピックアップしておきますね。あともう1つ、SHINeeの魅力としてお伝えしたいのが「日本オリジナル曲」にも名曲が多いという点です。
【SHINeeの代表曲10選】
1:Juliette
2:Ring Ding Dong
3:Lucifer
4:Sherlock
5:Dream Girl
6:Everybody
7:View
8:1 of 1
9:Don't Call Me
10:HARD
 
【日本オリジナル曲】
・Your Number
・Sunny Side
・君のせいで
・Downtown baby

矢野:正直言いにくいのですが……K-POPアーティストの日本語曲ってファンとしては「おや?」というケースもあるじゃないですか。

ゆりこ:(関わっているスタッフの皆さんの努力には敬意を抱きつつ)日本語曲はオリジナルにしろ翻訳版にしろ、ファンの目が厳しく光りますからね。中でも『Sunny Side』はジョンヒョンが亡き後、オンユが入隊を控える中、ファンへ直接メッセージを伝えようと、メンバーたちが歌詞を書いています。

矢野:SHINeeのことを詳しく知る前から、日本のファンを大事にしてくれているグループだという印象はずっとありました。ライブでも通訳なしでトークしていますし、これまで積み重ねてきた努力と、自分たちの言葉で日本のファンとコミュニケーションを取ろうとする意志が見えます。

ゆりこ:K-POPビジネスが2010年代から中華圏、そして北米へと商圏を広げる中、SHINeeはずっと日本を重視してくれていました。日本語曲の豊富さに加え、これまで日本で約130公演もライブを行なっているのもその証拠だと思います。

矢野:130公演! 毎年、地方まで回らないと達成できない数ですね。

ゆりこ:今、日本でも彼らのこれまで軌跡をたどるドキュメンタリーライブ映画『MY SHINee WORLD』が公開されていまして(2024年4月2日時点)、早速見に行ってきたのですが、SHINeeがなぜ今まで「名実共に現役なのか」という答えが詰まっていましたね。

矢野:僕もこれから見に行く予定なので、あまりネタバレは聞きたくありませんが……ぜひ感想を聞かせてください!

ゆりこ:はい、最大限ネタバレに気を付けながらお話ししたいと思います。

矢野:そしてテミンさん、オンユさんの事務所移籍発表もありましたよね。オンユさんの歌声をきっかけにSHINeeにハマった僕としては、かなり気になるニュースです! そのあたりも次回お話ししましょう
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