沢尻エリカが復帰舞台『欲望という名の電車』で見せた、“儚い”だけではない新ブランチ像

キャンセル待ちの列ができるほどの大入り満員となった、沢尻エリカさんの約4年ぶりの復帰作の舞台『欲望という名の電車』。上演が発表された際には、「あのブランチ役を沢尻さんが!?」と驚きの声があがった舞台を振り返ります。

欲望という名の電車
『欲望という名の電車』
沢尻エリカさんの約4年ぶりの復帰作として話題を集めた、舞台『欲望という名の電車』が2月に上演。東京・大阪公演ともに、キャンセル待ちの列ができるほどの“大入り満員”となりました。

上演が発表された際には、「沢尻さんがあのブランチ役を!?」と、業界の誰もが仰天した舞台ですが、開幕すると“沢尻エリカの復帰作”という以上に、現代演劇屈指の難役の1つであるブランチの、清新な表現が話題に。“名作”の新たな魅力を引き出した舞台を振り返ります。

 名優たちが演じてきた大役に“初”舞台で挑戦

欲望という名の電車
『欲望という名の電車』
 『欲望という名の電車』は、20世紀アメリカ演劇を代表する劇作家テネシー・ウィリアムズの代表作。上流階級から没落し、妹夫婦のもとに身を寄せた主人公が“壊れてゆく”物語で、1948年にピュリツァー賞を受賞しています。
 
淑女然として登場する主人公ブランチが、妹の夫スタンリーとの対立の中で大きく変貌してゆくさまが見どころ。約3時間ほぼ出ずっぱりでせりふ量も膨大とあって、ブランチはテクニックはもちろん、相当のスタミナを要する難役といわれています。

映画版ではヴィヴィアン・リーが演じてアカデミー賞主演女優賞を受賞し、日本では伝説の新劇女優・杉村春子さんが初演。後に栗原小巻さん、大竹しのぶさんら錚々(そうそう)たる名優たちが演じ、近年では特に、粘り強い交渉で上演を許された女形・篠井英介さんの、毅然として哀しいブランチ像が好評を博しました。
 
この大役に、演技は4年ぶり、しかも“初”舞台の沢尻さんが挑むというのですから、驚きの声があがるのももっとも。勝手の違う舞台という場で、彼女はいったいどんな演技を見せるのか……。今回のチケット争奪戦には、そんな好奇心から参加したエンタメ・ファンも少なくなかったようです。
欲望という名の電車
『欲望という名の電車』
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沢尻ブランチの“奇妙でコミカル”な登場シーン
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