お金のことをオープンにできれば問題はない?
全P代表理事の長谷川浩章さんは、「問題はやり方であって、保険そのものではない」と念を押します。掛け金に含まれる「制度運営費」についてもパンフレットに分かりやすく記載し、「事務手数料」や「制度運営費」の総額・用途をきちんと公開すれば問題はないのだ、と。確かに、それならよさそうな気もするですが……。ただ、筆者は「そもそもP連(PTA)が保険事業をやらなくてもいいのでは」という思いも拭えません。
PTA向けの活動保険(PTA総合補償)はP連を通さなくても各PTAで契約できますし、自治体のボランティア保険などで代替できることもあります。「園児・児童・生徒総合補償制度」は、市価よりお得に入れるのはいいですが、P連に入るお金がブラックボックス化してトラブルを招きがちです。最近は「P連の保険は不要」と判断するPTAも増えているような。
でももし、お金のことをちゃんとオープンにやれるのなら、それはそれでいいのかもしれず? 長谷川さんらが言う通り「保険に入る・入らないは、それぞれのPTAや保護者が判断すること」であって、「必ず入れ」と強いるわけでもありません。うーん、どうなんだろう……というところですが。
保険はいったん横において、全PではPTAの現場のニーズに応じる各種サービスを紹介・提供しています。情報提供も幅広く行っているので、興味のある人は全Pの公式Webサイトをのぞいてみてください。
この記事の執筆者:大塚 玲子 プロフィール
ノンフィクションライター。主なテーマは「PTAなど保護者と学校の関係」と「いろんな形の家族」。著書は『さよなら、理不尽PTA!』『ルポ 定形外家族』『PTAをけっこうラクにたのしくする本』『オトナ婚です、わたしたち』ほか。ひとり親。定形外かぞく(家族のダイバーシティ)代表。