どんな街を作りたいのか、自分は何をしたいのか……それ、どうやって実現する?
子ども会議では、どんな街にするのか、自分は何をしたいのか意見を出し合います。美由紀さんとつむぎさんは、事業計画書を作り損益分岐点を考えて予算をたてるなど、商売の基本はきちんと教えますが、あとはファシリテーターに徹し、何をするか、どのように運営するかは、子どもたちに任せました。
「大変だったけれどまたやりたい!」その一方で……
最初の会議から約半年間、イベントの存在を知ってもらおうと地元の学校や役所、お店を回って何千枚ものチラシを配ってまわり、思いを伝えて歩いた結果、趣旨に賛同した近隣の商店や企業、警察、高校生や大学生のボランティアも加わって、2018年の11月に最初のイベントが開催されました。
当日は、子ども出店が6組、大人出店が18団体。お仕事体験をする子ども市民が140名。ビジター約250名。ボランティア47名。全体で500名規模の大イベントとなりました。
1番印象に残ったのは、参加した子どもたちが真剣に仕事をしている時のキラキラした顔! そして、「大変だったけれどまたやりたい!」と言ってくれたことがうれしかったといいます。
一方で、思いがけず、「お客の全くいない時間もあって、これでお仕事体験と言えるのか。参加費を払っているのに、お土産もない」と言った反応もあったとか。2人にとってこれは想定外でした。
当時を振り返り、「このイベントは単なるエンターテイメントではなく、リアルの仕事を体験してもらって、その中で学んでほしいと思っていました。商売人の私たちにしてみたら、いつもお客様であふれている店なんかないし、そういう時こそ、どうすればいいかを考えるチャンスだと思うのですが、イベントの趣旨を伝えることの難しさを感じると同時に、逆に次はもっと工夫をしようというエネルギーになりました」と美由紀さん。