AIに負けない子の育て方 第8回

市役所、銀行、大学まである…1日限りの”仮想の街”が美しが丘公園に出現! 横浜市発のキッズタウン

さまざまな職業体験や市民体験を通して、社会のしくみを学ぶことができる体験型のイベント、キッズタウン。その特徴は、どんなイベントにしていくのかを子どもたちが話し合い、自ら作り上げていくこと。横浜市青葉区で行われている取り組みを取材しました。

どんな街を作りたいのか、自分は何をしたいのか……それ、どうやって実現する?

子ども会議では、どんな街にするのか、自分は何をしたいのか意見を出し合います。美由紀さんとつむぎさんは、事業計画書を作り損益分岐点を考えて予算をたてるなど、商売の基本はきちんと教えますが、あとはファシリテーターに徹し、何をするか、どのように運営するかは、子どもたちに任せました。

チッチェーノ・チッタの子ども会議の様子
チッチェーノ・チッタの子ども会議の様子
子ども会議でどんな街にしたいかを考える
子ども会議で、どんな街にしたいかを考える子どもたち​​​​

「大変だったけれどまたやりたい!」その一方で……

最初の会議から約半年間、イベントの存在を知ってもらおうと地元の学校や役所、お店を回って何千枚ものチラシを配ってまわり、思いを伝えて歩いた結果、趣旨に賛同した近隣の商店や企業、警察、高校生や大学生のボランティアも加わって、2018年の11月に最初のイベントが開催されました。

当日は、子ども出店が6組、大人出店が18団体。お仕事体験をする子ども市民が140名。ビジター約250名。ボランティア47名。全体で500名規模の大イベントとなりました。

1番印象に残ったのは、参加した子どもたちが真剣に仕事をしている時のキラキラした顔! そして、「大変だったけれどまたやりたい!」と言ってくれたことがうれしかったといいます。

一方で、思いがけず、「お客の全くいない時間もあって、これでお仕事体験と言えるのか。参加費を払っているのに、お土産もない」と言った反応もあったとか。2人にとってこれは想定外でした。

当時を振り返り、「このイベントは単なるエンターテイメントではなく、リアルの仕事を体験してもらって、その中で学んでほしいと思っていました。商売人の私たちにしてみたら、いつもお客様であふれている店なんかないし、そういう時こそ、どうすればいいかを考えるチャンスだと思うのですが、イベントの趣旨を伝えることの難しさを感じると同時に、逆に次はもっと工夫をしようというエネルギーになりました」と美由紀さん。

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全く人が集まらない……どうする? 子どもたち
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