ATEEZ、防弾少年団(BTS)も「中小ドル」 K-POPシーン大注目の“中小事務所発のアイドル”という存在

ここ最近、中小事務所発のアイドル「中小ドル」が大活躍しています。例えば、先日アメリカの大規模フェスへの出演が決まったATEEZや昨年『Queencard』が大ヒットした(G)I-DLEなど。現在のK-POPシーンを盛り上げる中小ドルの魅力とは? ※サムネイル写真:Mydaily/アフロ

ガールズ“中小ドル”が世を動かす!? (G)I-DLEが放つ強力なメッセージ

ゆりこ:もはやIVEやNewJeans、LE SSERAFIMと並ぶ、昨今のガールズグループ黄金時代の顔。メンバーのソヨンさんが作詞・作曲、コンセプト立案までできるプロデューサーを担っているという点も強みです。『Queencard』はMVが美容整形シーンから始まり強いインパクトを残しつつも、込められているのは「自分を愛するとは?」という普遍的なメッセージ。新曲『Wife』は韓国の公共放送KBSから放送不適格判定が下りてしまったことで、議論を呼んでいます。

矢野:それは……あまりに内容が過激だからですか?

ゆりこ:一部の表現が扇情的という理由からでしたが、全体的なメッセージは根深い「家父長制」や前時代的な「献身的な妻像」に対するアンチテーゼであって、責められるような内容ではありません。むしろ共感する人も多いと思います。断片的な一部を見て「好ましい」「好ましくない」をジャッジする古くからの慣習や権威って……。『Wife』の歌詞と照らし合わせるとなかなかアイロニックな事態(苦笑)。

矢野:賛否両論を招くということは、それだけ世間がアーティストや楽曲に注目しているということの表れのようにも思います。そもそも人気がなければ議論が交わされることすらないでしょうし。

ゆりこ:1つ気がかりなのは体調不良のメンバーが続出していることでしょうか。ミンニさん、ウギさんに続きシュファさんもダウンしてしまったそうです。

矢野:ヒットしているが故のハードなスケジュールの中、無理をしている部分もあるのでしょうか。どうか急がずにゆっくり休んで……と願うばかりです。

ゆりこ:ちなみに(G)I-DLEの所属するCUBEエンターテインメントは2008年からあり、SMやYGと共にK-POPの歴史を作ってきた会社。創業者もJYP出身です。大手事務所から独立した人が興した中小事務所は多いですよ。今年デビューしたALL(H)OURSも「Stray Kidsのいとこ」なんて呼ばれていますが、事務所の代表が長年JYPにいたからです。

矢野:HYBEのパン・シヒョクさんといい、JYP出身者が多いですね(笑)。必然的に古巣のメソッドや育成システムも、新しい会社に受け継がれたりするのでしょう。もちろん前の会社ではできなかったことにチャレンジしたり、オリジナルのカラーも追求したり。

ゆりこ:もちろん“影響”や“名残り”を感じることはあります。社長の出身会社を知って「なるほど、通りで」と。だから気になる「中小ドル」が見つかったら、その事務所の創業者や先輩アイドルを調べてみると興味深い発見があるかもしれません。

矢野:実はいろいろつながっているK-POPの歴史と広がり。最後に少し踏み込んだ質問をしたいです。中小事務所ゆえのデメリット、弱点はあるのでしょうか?

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中小事務所とアイドルが頭を抱える問題
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