4年に1度行われる大統領選挙は、1月15日にすでに始まっている。中西部アイオワ州で、共和党の大統領選挙指名候補争いの初戦が行われ、ドナルド・トランプ前大統領が圧勝している。
アメリカの大統領選挙は、アメリカにとってアジアで最も重要な同盟国である日本にも、多大なる影響を与える。在日米軍が存在し、経済の結びつきも強いからだ。ただそんなアメリカのトップを選ぶ大統領選挙は、少し仕組みが分かりにくい。そこで、本記事では分かりやすく大統領選挙について解説したい。
さらに、すでに共和党指名候補争いでその勢いを見せつけ、今回の選挙の台風の目になっているトランプ前大統領の動向も、今年ニュースをたびたびにぎわすであろう大統領選への理解度を高めるのに不可欠なので最後に考察する。
アメリカの政治における「二大政党制」とは
大統領を選ぶ選挙は、2段階に分かれている。まずは、それぞれの党が、全50州で州ごとに大統領候補を選び、最終的に党の全国委員会(本部)が1人を指名する。そして両政党で指名候補が決まると、そこから候補者同士の一騎打ちになる。
これは、日程を追いながら見ると分かりやすい。冒頭で述べた通り、2024年の大統領選挙は、まず共和党が15日に中西部アイオワ州で党員集会を行ったことで始まった。党員集会とは、「Caucus(コーカス)」と呼ばれ、州内で地区ごとに議論をして候補を決める方法だ。最終的に州全体を集計して、州の候補を選ぶ。
ヘイリー元国連大使は撤退を否定。だが現時点で優勢はトランプ氏
今回の共和党指名候補者争いでは、トランプ前大統領のほか、フロリダ州のロン・デサンティス知事、ニッキー・ヘイリー元国連大使が出馬していた。ただアイオワ州でトランプ前大統領が圧勝したことで、もう勝ち目がないと悟ったデサンティス知事が、選挙から撤退を発表。現在、共和党ではトランプ前大統領とヘイリー元国連大使が指名を目指して戦っている。そして23日には、北東部ニューハンプシャー州で共和党の予備選挙が行われた。ここで混乱した人もいるかもしれないが、ニューハンプシャー州では、党員集会ではなく、予備選挙が行われている。基本的に、どちらの方法を採用しても、州で候補者を選ぶことに変わりないが、投票スタイルが違う。予備選では、有権者それぞれが投票を行うことで指名候補を選ぶ。
だがヘイリー元国連大使は撤退を否定。2月24日に行われる共和党指名候補のサウスカロライナ州の予備選では、ヘイリー元国連大使が同州出身で知事を務めたこともあり、地元で勝利して起死回生を狙っていると見られる。
ただ、世論調査を見ていると、サウスカロライナ州ではトランプ前大統領が圧倒的に優勢で、ヘイリー候補がサウスカロライナ州で敗れたら選挙戦から撤退する可能性が高い。