賛否両論の『【推しの子】』実写化。原作ファンを納得させられるか、“成功の鍵”を握るのは誰だ?

漫画、アニメで大ヒットを記録している【推しの子】が、実写ドラマと映画を製作すると発表しました。今回は、すでに発表された出演者の情報をメインとして、実写化がヒットするのか可能性を解説します。(サムネイル画像出典:東映公式Webサイトより)

日本アカデミー賞ノミネート者も!? 期待が高まる配役

その他にも、人気YouTuberでルビーとアイドル活動するMEMちょ役の「あの」さんは最高のキャスティングです。元アイドルであり、現在はカリスマ的な活躍を続ける「あの」さんは、今回の『【推しの子】』の世界観にバッチリ適応。
 
【こちらも読む→「あの」ちゃんは、なぜここまでブレークした?

加えて劇団に所属する女性俳優でアクアに恋心を抱く黒川あかね役は「茅島みずき」さんが担当。モデルとして活躍する傍ら、俳優としては2022年放送の『教祖のムスメ』(MBS)での演技力で注目を集め、『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ系)ではヒール役を務めました。
  これからが期待される俳優ですが、舞台にも挑戦している演技派なので、コロコロ表情が変わるあかねをしっかり表現できるのか、見どころとなりそうです。

さて、キャストの中で筆者がもっとも気になるのが、幼い頃から子役として活動し、ルビーとアイドル活動を始める有馬かな役の「原菜乃華」さんです。

【こちらも読む→2023年引っ張りだこの「原菜乃華」の魅力とは

原さんも役と同様に子役から活動し、「おはガール」を担当したことも。2020年10月に公開された映画『罪の声』では、物語の鍵を握る重要人物・生島望役を務め、不可解な事件に翻弄される苦悩を見事に表現しました。

俳優として評価が高まり、国民的なヒットを記録したアニメ映画『すずめの戸締まり』では、主人公・岩戸鈴芽役に採用。その後も順調にキャリアを積み上げ、NHKの大河ドラマ『どうする家康』、映画『ミステリと言う勿れ』で、確かな演技を披露し若手女性俳優として注目を浴び、1月25日には「第47回日本アカデミー賞」新人俳優賞としてノミネートが発表されました。
  櫻井さんと共演した『泥濘の食卓』(テレビ朝日系)では、サイコパスな役どころにも挑戦。櫻井さん演じるハルキの幼なじみ・尾崎ちふゆを演じ、拒んだ愛情でいつしかモンスターストーカー的な行動へと駆り立てる、奇妙な役どころを見事に演じきりました。ハルキへの異常な愛を持つちふゆの行動は狂気の連発で、かわいいのに恐ろしいという、相反する表情で視聴者をくぎ付けに。

演技力の高さは折り紙付きで、今回の『【推しの子】』でも、最注目の俳優になりそうです。

否定はまだ早い。傑作になる可能性も高い『【推しの子】』

ここまで俳優たちの魅力などを解説しましたが、ファンの皆さんに言いたいのは、「否定するのは待ちましょう」ということです。

かくいう、筆者も『【推しの子】』を原作、アニメともに楽しんでいるので、否定したい気持ちは良く分かります。ただ、前述した通り、予算も潤沢にかけられることが予想され、今後は豪華な脇役陣が発表されそうな雰囲気がプンプンとしています。

せっかく作品を好きになったのですから、実写版も食わず嫌いせず一度は見てみる価値があると断言します。それに、俳優陣は紹介したように期待が持てますし、制作スタッフも一流どころが集まる可能性大。これだけの大プロジェクトであり、Prime Videoは有料会員の獲得、映画は興行収入をあげたい目標もありますから、経験上ではおかしな作品は作らないと思います。

SNSが作品の評価を左右する時代で、あまりにキャストや制作側を非難するのは、過度なプレッシャーを与え良い作品が生まれなくなる可能性もあります。『【推しの子】』が好きならば、まずは赤坂さんもコメントした通り、本物の現場にいる人々がどんな作品を生み出すのか期待して待つことをおすすめします。
最初から読む
 

この記事の筆者:ゆるま 小林
長年にわたってテレビ局でバラエティ番組、情報番組などを制作。その後、フリーランスの編集・ライターに転身。芸能情報に精通し、週刊誌、ネットニュースでテレビや芸能人に関するコラムなどを執筆。編集プロダクション「ゆるま」を立ち上げる。

Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

編集部が選ぶおすすめ記事

注目の連載

  • 「港区女子」というビジネスキャリア

    港区女子は、なぜここまで嫌われる? 自活する女性から「おごられ」「パパ活」の代名詞になった変遷

  • ヒナタカの雑食系映画論

    草なぎ剛主演映画『碁盤斬り』が最高傑作になった7つの理由。『孤狼の血』白石和彌監督との好相性

  • 世界を知れば日本が見える

    もはや「素晴らしいニッポン」は建前か。インバウンド急拡大の今、外国人に聞いた「日本の嫌いなところ」

  • 海外から眺めてみたら! 不思議大国ジャパン

    外国人観光客向け「二重価格」は海外にも存在するが……在欧日本人が経験した「三重価格」の塩対応