豪華キャスト&製作陣に期待! “潤沢な予算”をどう生かす?
まず、今回の媒体が、Prime Videoと映画という点がポイントです。配信ドラマや映画はテレビドラマよりも規制が少なく、過去の例を見ても1つの作品にかけられる予算が桁違いに高い傾向にあります。『【推しの子】』は製作費がかかるような派手なアクションシーンなどがないことを考えても、これだけの話題作なので、予算は配信ドラマも映画も間違いなく潤沢に組まれるでしょう。
その予算を使えば、現在発表されているキャスト以外の、出演者を豪華にすることが可能。脇をしっかりと固めきちんとした演技を見せることで、作品はグッと完成度が高まります。
また、制作費が高いということは、監督や脚本をふくめ一流のスタッフをそろえられます。漫画とアニメで大成功した『【推しの子】』を実写化するには、現時点では今回のPrime Videoと映画という共同プロジェクトがベストなことは間違いなし。
ファンは思うところがあるでしょうが、アニメにはなかった化学反応が起きる可能性がかなり高くなっています。
話題の俳優が勢ぞろい! 原作ファンも納得させられるか?
俳優陣に関しては、演技派から元アイドルまでかなり面白いラインアップになっています。主演の櫻井海音さんは、メディアでは積極的に公表されていませんが、Mr.Childrenの桜井和寿さんの息子として有名。現在は俳優業をメインとして、2023年には『アオハライド』(WOWOW)、『君に届け』(Netflix)、『VIVANT』(TBS系)などに出演しました。
そんな櫻井さんの魅力が詰まっていたのが、2023年10月期に出演したドラマ『泥濘の食卓』(テレビ朝日系)での演技です。父親の不倫相手に恋をして、幼なじみにはストーカー行為を繰り返される高校生・那須川ハルキを担当。複雑な環境におかれる高校生役で、心身ともに追い込まれて精神を破壊されていくさまを繊細に表現しました。
今回も複雑なキャラクターを演じることになります。原作ではアイのファンで極秘出産したときの担当医の雨宮吾郎であり、アイの息子・アクアとして転生する役。前世の記憶を有していることから、さまざまな奇跡を起こす人物です。作品では、アイの死の真相を暴くため、芸能界に潜り込み策略を繰り広げます。これまでの作品で櫻井さんが見せた繊細な演技や、役になりきれる実力を発揮してくれることを期待します。
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また、アクアの双子の妹で、亡き母のようなアイドルを夢見るルビーを演じる齊藤なぎささんも、演技が面白いと評判です。
2022年4月期に出演した『明日、私は誰かのカノジョ』(MBS)で演じたゆあは、歌舞伎町でホストクラブにハマる女性の役。アイドルグループ・=LOVEで活躍していた齊藤さんにとっては似つかない役となり、メンヘラ全開の怪演技が大反響を呼びました。等身大の女性に憑依することに長けており、アイドルの経験を持つことからルビー役でも実写ならではの魅力を発揮してくれそうです。
今回の実写化でもっとも注目を集めているのが、伝説のアイドル・アイを演じる齋藤飛鳥さんです。アイは、アイドルグループ・B小町の不動のセンターで天性の輝きを持つトップアイドル。乃木坂46在籍時は、グループでセンター経験もあり中心メンバーとして活躍した齋藤さんにはピッタリの役と言えます。
ただ、アイは原作やアニメのファンも多く、良くも悪くも演技がシビアにジャッジされる役。今回も、SNSで齋藤さんの抜てきに賛否両論が起きている状況です。
齋藤さんの経歴は申し分なく、アイドルを引退した今もトップクラスのビジュアルを誇っていますが、不幸なカリスマアイドルをどう見せるか、繊細な演技が求められます。とはいえ、芸能界やアイドル業界の裏側も描かれる『【推しの子】』に、国民的人気アイドルだった齋藤さんが参加するだけでも奇跡。演技を含め、どんな脚本でアイを描くのか、化学反応の中心に齋藤さんがいるのは間違いありません。