3:『長ぐつをはいたネコと9つの命』(Amazonプライムビデオで見放題配信中)
元々はシャルル・ペローによる童話で、『シュレック』シリーズから誕生した人気キャラクターを主人公にした作品です。あらすじは、無鉄砲だった賞金稼ぎが、9つあった命が残り1つになってしまったために隠居暮らしを始めるも、「願い星」を求めて再び冒険に旅立つというもの。王道の冒険活劇であり、前作に当たる2011年のアニメ映画『長ぐつをはいたネコ』を見ていなくても問題なく楽しめます。度肝を抜かれるのはオープニングから繰り出されるダイナミックなアクション! 漫画的な派手なエフェクトと、恐るべき敵とのハラハラドキドキのバトルの融合がたまりません。特に底知れぬ怖さや執拗(しつよう)さを見せる「最強の賞金稼ぎウルフ」にゾクゾクしっぱなし。子どもももちろん楽しめますが、「限りある命」から「人生の意義」を問い直す、大人にこそ響くメッセージを受け取ってほしいです。
4:『兵馬俑の城』(Hulu、U-NEXT、DMM TV、アニメ放題で見放題配信中)
こちらは中国製の作品。兵馬俑(へいばよう)とは、兵士および馬をかたどった死者といっしょに埋葬した人形のこと。心を持った兵馬俑の少年と、家族を奪われた人間の少女が出会い、そして世界を揺るがす脅威を巡る戦いと冒険が描かれます。超正統派の冒険活劇の最中で繰り出されるハイスピードアクションのクオリティの高さにほれぼれとできるでしょう。『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(2023年)にも通ずる強い女性像が魅力的ですし、ディズニーのアニメ映画『塔の上のラプンツェル』(2010年)に強く影響を受けたと思しきシーンも楽しく、中国らしい美術や独特の世界観もたっぷりと堪能できるでしょう。明かされる真相と、主人公がそこから得る学びは、現代でもとても大切なもののはずです。