旧ジャニーズ事務所「エージェント契約」と「マネジメント契約」の違いは? 所属タレントの今後を予測

旧ジャニーズ事務所が行うと言われている、タレントとのエージェント契約。はたして、タレントたちはどんな契約をして、今後はどう活動していくのか? 元テレビ局スタッフの筆者が、エージェント契約の解説と、タレントたちの未来予想図を解き明かします。

エージェント契約とは? 吉本興業も導入した制度を解説

「エージェント契約」とは、簡単に説明すればタレントと事務所が、出演交渉やファンクラブ運営、税務業務など個別に必要な仕事だけ契約を結ぶ形です。旧ジャニーズ事務所の場合は、タレントが個人会社などを開き、その上で現在社名を公募中の新エージェント会社と提携することになります。

この契約ですが、2019年に闇営業問題で揺れていた吉本興業が、「専属エージェント契約」を導入し話題を集めたことも。この際は、加藤浩次さんや近藤春菜さん、友近さんなど有名芸人が、エージェント契約を締結し、一般的にも広く知られることになりました。

実は、「エージェント契約」は日本ではなじみがあまりないですが、欧米の俳優やタレントには良く知られています。人気のハリウッドスターなどは、仕事の度にエージェントを変える場合もあるほど。では、なぜ日本では、この「エージェント契約」は主流にならないのでしょうか?

日本でマネジメント契約が主流なのは“タレントの育成”が原因

日本で活動するタレントは、育成システムなどの問題でこれまでほとんどが「マネジメント契約」を結んでいました。マネジメント契約では、まだ売れないアイドルや俳優でも、給料を受け取りながら育成してもらえます。ジャニーズ事務所の場合は、育成機関のジュニア(旧ジャニーズJr.)からスタートするタレントが多く、まさにマネジメント契約を代表する芸能事務所として知られていました。
 
マネジメント契約のメリットは、事務所が大きければタレントとして成功する可能性も高くなり、また「バーター」と呼ばれる抱き合わせで、テレビ番組などに出演することができます。また、旧ジャニーズ事務所は、グループでの活動でドームツアーなど大規模なコンサートを行うため、専属のマネジメント契約をしていないと、タレントたちだけでは運営できませんでした。

デメリットは、専属契約なので事務所の方針に反対することが難しく、結果としては言われるがママになってしまう危険性があること。週刊誌などで報道されている「奴隷契約」が起きる可能性もあり、これは日本の芸能システムと似ている韓国でも問題視されています。

今回、旧ジャニーズ事務所のタレントはほとんどがエージェント契約を結ぶ形に。とはいえ、前述したとおりにグループでの活動もあるため、到底自分たちだけで処理できるはずもなく、仕事の獲得から契約、経理関連の仕事などかなりの部分を新会社に委託するのではないかと思われます。
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エージェント契約になって何が変わる?
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