2023年の訪日外客数
それぞれの印象はあるものの、両者ともに外国人訪日客の多さが目に付いたようだ。日本への訪問者のデータを見てみると確実に外国人が増えていることが分かる。日本政府観光局(JNTO)の調査では、まだコロナ前の水準には若干届かないが、2023年初めから観光客が増えている。1月に約149.7万人だった訪日外客数は、9月には218.4万人以上に膨れ上がっている。
出典:日本政府観光局(JNTO)発表の訪日外客数(2023年9月推計値)
2023年1~9月に日本を観光目的で訪れた人たちを国別に見ると、1位の韓国や2位の台湾が圧倒的に多い。次いで中国人やアメリカ人、香港人が多く訪日している。その後は、タイやオーストラリア、フィリピン、ベトナムから来ている人が続く。
来日する人が多い理由は、多くの外国人が相変わらず日本に興味を持っているからに他ならない。事実、「日本の印象」について調べた海外の統計などを見てみても、観光には関係なくとも、世界では日本に対して好意的に見ている人が多いことが分かる。
韓国や中国から見た日本の印象
興味深いのは、日本に来日する観光客が多い韓国や中国では、日本に対するイメージが非常に悪いことだ。2023年に発表された日韓共同世論調査(言論NPOと東アジア研究院が実施)では、韓国人で日本の印象が「良い」と答えた人の割合は28.9%で、「良くない」と答えたのは53.3%だったという。
中国の場合は、2021年に公表された日中共同世論調査(言論NPOと国際出版集団が実施)によれば、「中国人の日本に対する印象は、『良くない(「どちらかといえば」を含む、以後同様)』が52.9%から66.1%へと13.2ポイント増加している」と指摘している。
それでも観光では日本に来たいらしい。他の調査を見てもおおむね同じような結果だけに、韓国人や中国人の感覚は理解しづらいと言わざるを得ない。
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