ヒナタカの雑食系映画論 第36回

大人こそ「プリキュアが好き」と言っていい。映画『プリキュアオールスターズF』が再定義するヒーロー像

上映中の『プリキュアオールスターズF』に絶賛に次ぐ絶賛が寄せられています。それもそのはず、本作は「大人のプリキュアのファンこそが感涙する」「プリキュアというヒーローの再定義」をする、ものすごい作品だったのです。

プリキュアオールスターズF
※筆者撮影
9月15日より劇場公開中の映画『プリキュアオールスターズF』が、週末の公開3日間で興行収入4.3億円、動員数35万人を突破し、シリーズ最高のオープニング記録を樹立しました。
Filmarksで4.2点(5点満点)を記録するなど評価もかなり高く、20周年を記念した「お祭り映画」でもあり、長い間プリキュアシリーズを見続けていた大人こそが感涙する内容になっています。ファン向けに振り切った作りともいえますが、決して「一見さんお断り」でもなく、未就学児のお子さんでも退屈させないほどの見せ場が詰まっていますし、ヒーロー映画としてのとんでもない熱量を、見れば誰もが受け取れるのではないでしょうか。
 

子どものために誠実に作られたプリキュアシリーズに大人も感動


筆者はここ1年ほど、おいっ子、めいっ子とテレビシリーズを見ているうちにすっかりプリキュアのファンになり、今回の『プリキュアオールスターズF』のクライマックスでは感動して思いっきり泣いてしまいました。そして、ストレートに感じたのは、プリキュアは本当に子どものことを考えて作られている素晴らしいコンテンツであるということ。そして子どものために誠実に届けた作品は、大人にも届く、ということでした。

実際に、最近のプリキュアは「女児向けアニメ」という枠を超えて、男の子や大人にも響く要素が増えていて、より幅広い層にもおすすめできるようになっています。そして、今回の映画最新作に大人が感涙する理由には「プリキュアというヒーローの再定義」もあると思ったのです。その理由を記していきましょう。


>次のページ:プリキュアシリーズは、作品ごとに子どものことを考えている

【これまでのプリキュアシリーズを振り返ってみる!】
 
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