ヒナタカの雑食系映画論 第33回

映画『バービー』、なぜ“マリオ超え”の大ヒット? フェミニズムを打ち出す作品が興行的に成功した意義

映画『バービー』の全世界での興行収入が『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を超えて2023年公開の映画の中でNo.1に。公開前からの盛り上がり、そして賛否も含む議論も話題となった理由をまとめてみましょう。

上映中の映画『バービー』の全世界での興行収入は13億8000万ドルを超え、あの『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を上回り2023年公開の映画の中でNo.1ヒットとなりました。ワーナー・ブラザース配給作品史上でも、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』を超えて歴代1位。人気シリーズの続編ではない作品であることも含めて、歴史的な超大ヒットといえるでしょう。
 
『バービー』
『バービー』 8月11日(金)全国ロードショー 配給:ワーナー・ブラザース映画 (C) 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

その『バービー』の盛り上がりには、いくつかの理由があります。もちろん、世界的人気を誇るおもちゃが題材であること、マーゴット・ロビーやライアン・ゴズリングというスター俳優による訴求力も絶大なものでしょうが、それだけではないのです。まとめてみましょう。
 

公開前から全身ピンクの「バービーコア」がSNSで大バズり

2022年秋冬コレクションにて、ファッションブランドのヴァレンティノが全身ピンクのルックを発表し、全身ピンクで着飾ったスタイルがトレンドになりました。さらに映画『バービー』のファーストルックの解禁により、ピンクでファッションをコーディネートする「バービーコア」と呼ばれるムーブメントがSNSで大盛り上がり。俳優であり歌手のゼンデイヤもInstagramにバービーコアを投稿しています。
 
公開されてからも、バービーコアそのものな全身ピンクの服で映画館に駆けつける観客の姿が話題に。劇中のピンクに彩られた“バービーランド”のセットのために、世界的にピンクの塗料が品薄状態になったことも話題になりました。
 

「パッと見て分かりやすいビジュアル」がヒットの起因か

『バービー』
(C) 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

SNSでバズったのはバービーコアだけでなく、「バービー セルフィー ジェネレーター」もあります。誰でも簡単に好きな画像を映画のポスターっぽく加工できるお手軽さもブームの理由だったようです。日本語版も提供されています。

この映画『バービー』の「(ピンクの)分かりやすく目立つルック」があってこその人気は、「赤と緑のジャージ」を筆頭としたビジュアルが鮮烈でコスプレしやすく、同様にSNSで大バズりしたNetflix配信のドラマ『イカゲーム』も連想します。今後も「パッと見て分かりやすいビジュアル」を持つ作品こそが、世界的なブームを引き起こしていくのかもしれません。


>次のページ:フェミニズムにあふれたテーマ、賛否も含む議論も後押しに?
 
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

連載バックナンバー

Pick up

注目の連載

  • どうする学校?どうなの保護者?

    「まだ体育館で軟禁されてるの?」役員決めを廃止したPTA、保護者と先生が手にした“穏やかな春”

  • ヒナタカの雑食系映画論

    映画『鬼の花嫁』で永瀬廉が体現する「俺様ではない魅力」とは。『シンデレラ』的物語へのアンチテーゼも

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    江ノ電20年ぶり新車、謎の「1人掛け席」の正体は? 観光サービスではなく「混雑地獄」に挑む苦肉の策

  • 海外から眺めてみたら! 不思議大国ジャパン

    「移民」に冷たいのはどっちなのか? スイスの厳格過ぎる学歴選別と、日本の曖昧過ぎる外国人政策