ヤフーとNAVERの関係
そもそも、ヤフーとNAVER Corporation(以下、NAVER)の関係はどういうものなのか。あまり知らない人も多いと思うので説明したい。
もともとは2021年3月に、ソフトバンクの傘下にあったYahoo! JAPANを運営するZホールディングスと、韓国のNAVERの傘下にあったLINEが経営統合した。それを受けて、Zホールディングスが親会社として、LINEとヤフー(Yahoo! JAPANなど)を傘下に収める形になった。
実はその直後に、LINEの信頼性を揺るがす事態が発生する。2021年3月17日付の日本経済新聞(電子版)によれば、「LINEは17日、業務委託先の中国の関連会社の従業員が国内の個人情報データにアクセス可能な状態だったと発表した」と報じられている。
LINEの中国子会社であるLINE Chinaに同社サービスの開発を委託していたため、中国人従業員が日本人ユーザーのデータにアクセスできていたことが問題視された。
ただこの件については、Zホールディングスの最終的な調査報告書が、中国でデータが漏れたことは確認されていないと結論付けていた。
当時、問題視されていたこと
実は当時、セキュリティ関係者らがこれよりも問題視したのは、LINEの社員らが企業や政府、自治体などのLINEの顧客に対して、LINEのデータは全て日本のサーバで保管されているという「うそ」をついていたことだった。
というのも、多くの日本人がLINEでやりとりする画像などのデータが韓国のNAVER側で保管されていた。そこから日本人の情報が知らぬまま利用されたり、抜かれたりする可能性もあったのである。
ただ最終報告書が公開され、LINEもデータを日本に移すと確約したことで、この騒動は落ち着きを見せた。それでも、LINEとNAVERに対する不信感はセキュリティ業界に根強く残ったままだった。
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