工場以外何もない終点
かしの森公園停留所に停車。終点には「トイレもコンビニも自販機もありません」との放送が入る。不安な人は、ここで降りた方が無難のようだ。家族連れは、ここで降り、残った乗客は完全乗車を目指す鉄道ファンあるいは工場に用がある人だけとなった。 終点の芳賀・高根沢工業団地停留所は、広大な本田技研工業の北門に隣接していて、歩道橋や横断歩道でつながっている。そもそも工場への通勤や訪問用に設置された停留所なので、何もないのは当然かもしれない。
変化に富んだ車窓を楽しみつつも今後の発展を期待
沿線には事業所や学校がいくつもあり、朝夕は、それなりの利用者で混雑すると思われる。鬼怒通りの大渋滞を解消する目的もあって建設されたライトレールなので、沿線に目立った観光地はない。しかし、車窓は市街地から鬼怒川、田園風景、工場地帯と変化に富んでいる上にクロスシート主体の車両なので、意外にも「乗り鉄」目的で訪れても楽しめる路線だ。
新しい都市交通のモデル的な意味合いもある鉄道なので、試行錯誤を繰り返しつつ大きく発展していくことを見守っていければと思う。
「宇都宮ライトレール」の車内メロディ&案内放送
この記事の筆者:野田隆
名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL「D51」を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、『ヨーロッパ鉄道と音楽の旅』(近代文芸社)を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。近著に『シニア鉄道旅の魅力』『にっぽんの鉄道150年』(共に平凡社新書)がある。
名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL「D51」を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、『ヨーロッパ鉄道と音楽の旅』(近代文芸社)を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。近著に『シニア鉄道旅の魅力』『にっぽんの鉄道150年』(共に平凡社新書)がある。