鬼怒川を渡り、緑豊かな田園地帯を走る
幹線道路の下をくぐると、のどかな田園風景が展開する。モダンで都会的な新型車両とは落差のある車窓だ。やがて電車は鬼怒川を渡る。 川で釣りに夢中になりながらも、電車を見送る人もいる。なかなかの絶景区間だ。この辺りは、道路とは離れ、一般の鉄道のような専用軌道だ。渡り終わると高架上にある飛山城跡停留所に停車。緑豊かな所で、少し歩くと史跡公園や公家のほか、お姫様のコスプレが楽しめる歴史体験館もある。停留所名となっている高校や中学、大学が集まっている清陵高校前(作新大・作新短大前)を出ると、道路の真ん中ではなく、北側を走る。サイドリザベーション方式といい、併用軌道ではあるものの、柵で車道と分離しているので車が誤って侵入する心配はない。
文教地区から工業団地、サッカースタジアム最寄り停留所へ
清原地区市民センター前を発車すると大きく左へ曲がる。キヤノンやカルビーなどの工場が林立する清原工業団地の中を行く。道路は西側を並走し、柵とグリーンベルトで隔てられている。
次のグリーンスタジアム前は、その名の通りサッカー競技場の最寄り停留所だ。道路を挟んで南側には下り線のホームが、北側には上り線のホームがあり、ともに1面2線構造で、快速電車が各駅停車の電車を追い抜けるようになっている。
下り線から上り線への渡り線もあるので、この停留所での折り返しも可能だ。この停留所止まりの電車もあり、さらにはサッカーの試合があった場合の臨時始発電車が設定できるようにもなっている。
うっかり、この停留所が終点の電車に乗ってしまい、さらに先の停留所へ向かいたいときは、後続の電車に乗っても運賃は通算で差し引かれるようになっている。停留所に改札口がなく、電車に乗り降りする毎に運賃を払うのが基本なので、この措置は良心的だ。
将来運行予定の快速電車と各駅停車の乗り継ぎでも、30分以内であれば運賃は通算されるように設定されるとのこと。このシステムは、平石とグリーンスタジアム停留所の乗降でのみ実施される。