ヒナタカの雑食系映画論 第32回

『君たちはどう生きるか』の宮崎駿監督だけじゃない! 活躍し続ける80代&90代の映画監督たちがすごい

『君たちはどう生きるか』の宮崎駿監督は現在82歳。ほかにも現役で仕事を続けている、80代&90代の著名な映画監督がいます。年齢を重ねても衰えを感じさせない、いやさらにパワフルになっているともいえる、その最新作を紹介しましょう。​​​​​​​(c)2023 Studio Ghibli

5:クリント・イーストウッド監督(91歳):『クライ・マッチョ』


元ロデオスターの男と、親の愛を知らない少年という、「生きづらさ」を抱えた者たちの物語。イーストウッド監督(主演も兼任)らしいロードムービーや少年の交流などの要素がストレートに打ち出されていて、その集大成というよりも、円熟した巨匠が良い意味で小さな作品を手掛けたという味わい深さがあります。ニワトリの名演技にも注目です。

なお、イーストウッドが最後に監督を手掛けるのは、法廷スリラー映画『Juror #2(原題)』だと伝えられています。
 

6:山田洋次監督(91歳):『こんにちは、母さん』(9月1日公開)


『男はつらいよ』や『たそがれ清兵衛』の山田洋次監督が、劇作家・永井愛の同名戯曲を映画化。友人のクビを切る立場の人事部長の息子と、ホームレスへのボランティア活動をしつつ恋をする母親という2つの立場から、社会で生きる人へエールを送る優しさにホロリとできる、落ち着いたトーンの味わい深い人情劇になっていました。大泉洋と吉永小百合の掛け合いはもちろん、思わず孫にしたくなる永野芽郁の愛らしさにも期待してみてください。


>次のページ:ベテラン監督が教えてくれる、「年齢を言い訳にしない」ということ
 
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

連載バックナンバー

Pick up

注目の連載

  • ヒナタカの雑食系映画論

    なぜ満席続出? 傑作にして怪作映画『WEAPONS/ウェポンズ』ネタバレなしで知りたい3つのこと

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    「まるでペットのようだったのに…」Suicaペンギン卒業で始まるロス。リュック、Tシャツ…愛用者の嘆き

  • 海外から眺めてみたら! 不思議大国ジャパン

    「空の絶対権威」には逆らえない!? JALの機長飲酒問題に思う、日本はなぜ「酔い」に甘いのか

  • 世界を知れば日本が見える

    【解説】参政党躍進に“ロシア系bot”疑惑、証拠なく“自民党の情報操作”との見方も