ヒナタカの雑食系映画論 第32回

『君たちはどう生きるか』の宮崎駿監督だけじゃない! 活躍し続ける80代&90代の映画監督たちがすごい

『君たちはどう生きるか』の宮崎駿監督は現在82歳。ほかにも現役で仕事を続けている、80代&90代の著名な映画監督がいます。年齢を重ねても衰えを感じさせない、いやさらにパワフルになっているともいえる、その最新作を紹介しましょう。​​​​​​​(c)2023 Studio Ghibli

おまけ:これから80代になる監督の最新作も続々!

ほかにも、ジョージ・ミラー監督は77歳にして『アラビアンナイト 三千年の願い』を世に送り出しましたし、2024年には『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のスピンオフとなる『フュリオサ(原題)』の公開も控えています。
 

スティーブン・スピルバーグ監督も75歳にして自伝的な映画『フェイブルマンズ』を手掛けました。スピルバーグ監督自身が「これを撮らずにキャリアを終えるなんて考えられない」とまで宣言するほど、「やらなければいけない」作品だったようです。
 

マーティン・スコセッシ監督は77歳の時にこれまでの「マフィアもの」の集大成ともいえる映画『アイリッシュマン』を世に送り出しました。そして80歳になってからの最新作『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』が 2023年10月20日に公開されます。
 

もちろん、全ての映画監督がいつまでも新作を撮れるわけではありません。例えば『エクソシスト』や『恐怖の報酬』のウィリアム・フリードキン監督は2023年8月7日に87歳で亡くなり、多くの映画ファンが哀悼の意を表しました。その遺作はキーファー・サザーランド主演の『The Caine Mutiny Court-Martial(原題)』で、8月30日から始まる第80回ヴェネツィア国際映画祭での初披露を目前に控えています。
 

ベテラン監督が教えてくれる、「年齢を言い訳にしない」ということ

ベテランの映画監督が80代や90代になってもなお元気に最新作を手掛けていること、そのエネルギッシュさを作品から感じられるということ、それ自体がとてもありがたいことです。だからこそ見逃してほしくない、可能であればリアルタイムで見てほしいと心から思えます。

何より、全く年齢を感じさせない創作物に触れてこそ、「年齢を言い訳に何かを諦めたりしない」考えも新たにできるとも思うのです。ぜひ、これらの映画監督のみならず、好きなクリエイターを追い続けることで、自分の“糧”にしていただきたいです。


この記事の筆者:ヒナタカ プロフィール
All About 映画ガイド。雑食系映画ライターとして「日刊サイゾー」「ねとらぼ」「CINEMAS+」「女子SPA!」など複数のメディアで執筆中。作品の魅力だけでなく、映画興行全体の傾向や宣伝手法の分析など、多角的な視点から映画について考察する。2022年「All About Red Ball Award」のNEWS部門を受賞。


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