テレビアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』(MBS/TBS系)が7月2日放送の第24話で最終回を迎えます。同作は放送されるたびにTwitterのトレンドを席巻する話題作。なぜ、ここまでの熱狂的な人気を獲得し、リアルタイムで作品を追う様が大盛り上がりをしていたのかを振り返ってみましょう。
1:ガンダムを知らない「次の世代の少年少女」に向けて作っている
『機動戦士ガンダム』は1979年から半世紀近くにわたってさまざまなシリーズが展開してきたロボットアニメであり、その最新作が『水星の魔女』。しかし、他作品との物語上のつながりはないため、今回から見ても問題なく楽しめる内容になっています。岡本拓也プロデューサーは、10代の人からの「ガンダムは、僕らのものじゃない。僕らに向けたものではない」という言葉が突き刺さったこともあり、「50、60周年に向けて、次の世代の少年少女に向けて作りたい」という方向性で企画を進めていたのだとか。後述するさまざまな理由により、それらの世代へ見事に訴求していると同時に、『ガンダム』シリーズのファンに刺さる内容にもなっていました。
2:「ダブスタクソ親父」などのバズるパワーワード、衝撃的な展開
『水星の魔女』が放送されるたびにSNSで話題沸騰となる理由は、各話で視聴者の予想を裏切る、もはや笑ってしまうほどに衝撃的な展開、時にはものすごいインパクトのパワーワードが飛び出すことでしょう。Twitterのトレンドには「ダブスタクソ親父」を筆頭に、外ではあまり言ってはいけない感じの言葉もよく並んでいました。個人的に大好きなのが「クソダサPV」。そりゃそう言われるだろうな、とはっきり分かる劇中の動画もYouTubeにアップされています。未見の人のために詳細は秘密にしておきますが、本編前プロローグの残酷な展開は「人の心がない」などと“褒められて”いましたし、第1話のラストは、現代らしい価値観を示しながら“キャラクターの関係性”が気になってしょうがなくなってしまう「つかみ」として秀逸でした。わずか20分弱の話の中で二転三転するテンポの速さ、情報量の多さも手伝って、明らかに「何かをつぶやきたくなる」「リアルタイムで追いたくなる」SNS時代の潮流を見越した作品でもあるのです。
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