海外から眺めてみたら! 不思議大国ジャパン 第14回

日本人の給料は悲観するほど低くない? 日本とスイスの「職業別」平均年収を比べてみたら

日本人の年収は世界的に見ても「安い」のでしょうか? 筆者が暮らすスイスの年収と日本の年収を「職業別」でご紹介しましょう。

日本と海外「物価水準」の違いは?

ちなみにイギリスの経済誌「エコノミスト」が発表するビッグマック指数(2023年1月26日発表)を比べると、日本が410円(41位)であるのに対し、アメリカは697円(6位)、スイスに至っては944円(1位)となっており、スイスではファストフードの食事でさえそれなりの出費が必要とされています。

日本では2023年初にビッグマックの値上げを実施。410円から450円に(※画像はイメージ)

さらにスイスでは2020年の貧困ライン(生活していくのに最低限必要な収入)が、単身者で月額2259スイスフラン(約32万8000円)、大人2名と14歳未満の子ども2名の世帯で月額3990スイスフラン(約57万9000円)とされており、これ以下の収入は生活保護の対象。これは、東京都の生活保護条件が単身者で月額13万円程度(厚生労働省「生活保護制度」)であるのと比べても、かなり高めであることが分かります。
 

ニューヨーク州弁護士の推定年収といい、今回ご紹介したスイスの年収ランキングといい、単純に日本の数値と比較すると意気消沈するような結果に見えます。しかし、ニューヨークやスイスの目の飛び出るような物価高や円安を斟酌(しんしゃく)すると、さほど悲観することもないのかもしれません。

ライジンガー真樹のプロフィール
元CAのスイス在住ライター。日本人にとっては不可思議に映る外国人の言動や、海外から見ると実は面白い国ニッポンにフォーカスしたカルチャーショック解説記事を中心に執筆。All About オーストリアガイド。
 

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