ChatGPTの使用を禁じた学校も
こういうことができてしまうので、例えば、米ニューヨーク市の教育委員会が学校でのChatGPTの使用を禁じたというニュースも報じられている。
そもそもこれまでも、Google検索やWikipediaなどを使えば、学校の課題などでの調べ物はインターネットが普及する以前よりも断然楽になっていた。しかしChatGPTはそうした情報を文章にまでしてくれるので、教育現場ではやはり歓迎されないのも仕方がないだろう。
ただ、今利用できるChatGPTそのものはインターネットにはつながっていない。現時点では2021年までのデータしか学んでいないので、データに不備が起きるのは避けられず、データの制限があるために、とんちんかんな回答や明らかに誤った答えを時に出してくることもある。まだまだ改良の余地がある。
筆者が思うにChatGPTで今後懸念になりそうなことがあるとすれば、運営企業のOpenAIが、ChatGPTの回答が人種差別的なものにならないようにするといった「検閲」を行っていることだ。もちろんポジティブな意味での制限ということだと思うが、回答に現れる言葉の制限や、そのメカニズムなどが公開されていないので、ひょっとするとユーザーがChatBPTから得る情報が気づかずに偏っている可能性がある。
ChatGPTは、同サービスに多額の投資をしている米マイクロソフトの検索エンジン「Bing」に組み込まれ始めており、現在、検索エンジンで世界トップのシェアを誇るグーグルには強力なライバルとなるだろう。
一方で、世界でオンラインの検索エンジンを牛耳ってきたグーグルのAI開発状況はどうなっているのか。
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