対話型AIのChatGPTは、2022年11月にアメリカのOpenAI社がリリースしてから、世界で話題を呼びユーザー登録数がわずか2カ月で1億人を突破した。
先日、イギリスやイスラエルの知人とやりとりをした際に、それぞれChatGPTが面白いという話題になり、世界的に注目されているのを実感した。
これまでもAIのチャットボット(自動会話プログラム)についてのニュースは数多くあったが、なぜChatGPTが特段大きな話題になったのかというと、オンライン上の新しい検索オプションとして、非常の性能の高いAIが無料で一般に使えるようになったからだ。
ChatGPTは何がすごい?
そんなChatGPTは何が優れているのか。実は、ライバルであるグーグルもこれまで対話型AIの開発を行ってきており、いよいよAI開発競争もユーザーを巻き込んだ新たなステージに入っていくといえそうだ。
まずChatGPTは、自動的にコンテンツを生成してくれる「生成系AI(ジェネレーティブAI)」と呼ばれる。これまでも「DALL・E2(ダリ・ツー)」など画像や音楽を自動生成してくれるものがあったが、ChatGPTは文章を自動でAIが生成する。
ChatGPTは、人と実際にコミュニケーションしているかのように対話ができる。その理由は、人間が書いたインターネット上の文書やコミュニケーションなど莫大なデータを使ってAIが学習し、「人間反応の強化学習(RLHF)」という方法で会話を学んでいるからだ。
検索として言葉を入力して説明するよう要求し、物事について感想を引き出すこともできる。論文や小説までも書いてしまうのである。
例えば、「All Aboutを題材に作文してください」とタイプすると、「AllAboutは、日本で人気のある情報サイトです。このサイトでは、健康、美容、ダイエット、ファッション、ビジネス、教育など、さまざまな分野の情報を提供しています。さらに、動物や旅行、スポーツなどの趣味に関する記事も豊富に掲載されています……」という回答が。ユーザーの求める情報について、きちんと説明してくれることが分かる。
また、試しに、「大阪弁で会話して」と入力すると、こんな回答が。
「了解しました。では、大阪弁でお話しましょう。おおきに! 最近どうしたん? なんかええことあったかいな? それとも、なんか困っとるんかいな?」
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