豊洲で一般公開
11月12日には記念式典を行い、その後、一般公開された。機関車が展示されている土台は、新橋~横浜間の鉄道が開業したとき、海上に線路を敷設するために使われた「高輪築堤」の築石を利用している。
これは近年、再開発工事のときに発掘されたものの一部で、港区教育委員会(東京都)とJR東日本から寄付されたものだ。403号機関車が高輪築堤の上を走ったかどうか定かではないけれど、築堤が現役であった時代に403号機関車も国内を走っていたので、違和感は全くなく、往時の姿に想いを馳せることができるであろう。
汽笛と走行音を発する秀逸な演出
単なる展示にとどまらず、403号機関車は汽笛を鳴らし、走行音を発してあたかも動いているような演出を行う。音源は、博物館明治村の協力の下、403号機と同時期に活躍し、今なお動態保存されている蒸気機関車9号の汽笛と走行音を採音加工し使っている。
1日2回、12時と17時に現地で耳にすることができるのだ。また、運転台を月曜から土曜までの9~17時に公開している(休日および学校の休業日は休みとなる)。
403号蒸気機関車は歴史的にも貴重な鉄道遺産である。末永く保存できるよう、見学するときもそのことを考えて大切に扱いたいものだ。
展示場所は、芝浦工業大学附属中学高等学校校地だが、誰でも気楽に見学できるように校庭のフェンス外で公開されている。ゆりかもめの新豊洲駅近くで、東京メトロ有楽町線豊洲駅から歩いても数分の位置にある。
資料提供=西武鉄道、学校法人 芝浦工業大学
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