何かと話題になる「転売」。メルカリはどう考える?
川崎:メルカリとして「転売問題」はどう考えていますか?
池田さん:「転売」の最も大きな問題は、本当に欲しいと思っている人が買えなくなってしまうことだと考えています。一般的に言われる「買い占め」ですね。これに関しては、メルカリも危機意識を持っています。例えば、新型コロナウイルスの感染拡大当初は、マスクや消毒液が品薄になってしまいましたよね。緊急事態において、生命身体の安全や健康の維持に関わる必需品であり、できるだけ早く多くの人に届けることが求められるが供給が著しく不足している商品の取引に関しては、専門家の意見を聞きながらメルカリが判断をして出品禁止物に指定した過去があります。
他にもエンタメ系や期間限定の商品ですね。例えばファーストリテイリングさんやオリエンタルランドさんとも連携をして(参考:マーケットプレイスの共創に関する覚書)、商品発売の前に情報をいただき、出品を監視しています。
商品を販売する一次流通の企業との連携は、不可欠になってくると思います。転売対策をしている企業の情報をキャッチして、こちらから連携の依頼をしていくこともできそうですよね。プラットフォーマーとしてのメルカリができることはあるので、これからも対策は検討していきます。
川崎:購入者に対しても、対策をされていますよね?
池田さん:通常より高い金額で売られていると、注意を促すために案内を出したり、商品画面上に表示したりしています。「メルカリ」ではなく他のお店で買った方が安いこともあるので、お客さまが損をしないためにも、必要なことと考えています。
川崎:「買う人がいるから、売る」という考えもありますね?
池田さん:他のお店では取り扱いがなく、「メルカリ」で買うケースはあると思います。出品された経緯は分かりませんが、送料分や商品を買うときにかかった交通費や手間代が含まれていることもあります。
川崎:私は地方に住んでいるので、東京限定や大阪限定などの商品は、「メルカリ」で買ったこともあります。買いに行くまでの時間や手間、交通費を考えると、「メルカリ」で買った方が明らかに安いからです。他にも、もう手に入らないものですよね。かなり昔のものになると一般市場では買えません。だから当時の値段よりも高くても、買うことはあります。ここは程度の問題だと思うのですが、明らかに高額になっているものは避けた方が良いのかなと、私は思いますね。でも本当に欲しい人に商品が行き渡ることを重要視するならば、全てを「転売」としてしまい「転売=悪」とするのは残念なのかもしれませんね。
池田さん:「メルカリ」は「自由なマーケットプレイス」でもあります。全てを禁止したり、厳しく取り締まったりするのは、この概念に相反してしまう恐れもあります。私たちメルカリとしても、社会情勢の変化やお客さまの需要に合わせて変化していく必要があると考えています。
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「メルカリ」のマイルールや転売については、不安に感じたり、実際にトラブルの経験があったりする人もいるかもしれません。「メルカリ」の規約がある以上、まずはそれを基本にして取引を行うのが基本になってきます。「メルカリ」は自由なマーケットプレイスではありますが、自由奔放な取引をして良いわけではありません。最低限のマナーを守り、相手の気持ちを考えることを忘れてはいけませんね。
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