「コロナ便乗商法」やマッチングアプリなどでの勧誘増加
まず、増加しているのが新型コロナウイルスへの恐怖を逆手に取って、「ウイルスを除去できる」などのセールストークを用いる「コロナ便乗商法」だ。感染拡大当初から消費者庁は警告を出して、実際に多くの「コロナ商法」に処分を下している。
もちろん、このような問題はマルチ商法だけで起きているわけではないが、「連鎖取引販売」という「個人が個人にモノを売る」形態が故、どうしても「バレにくい」という部分がある。そのため、かなりのマルチ商法企業の会員が「実はここだけの話、このサプリを飲むと免疫が上がって新型コロナウイルスに感染しない」とか「この空気清浄機、コロナウイルスも除去できるの」なんて販売をしていた恐れがあるのだ。
サプリメントや空気清浄機が人気のアムウェイへの行政処分は、このようなコロナ便乗商法の「無法地帯」ぶりにブレーキをかける「見せしめ」とも取れるのだ。
加えて、消費者庁にはもう1つ大きな頭痛のタネがあった。それがマッチングアプリや街頭ナンパによる勧誘の増加だ。
マルチ商法企業にとってコロナ禍は大打撃だった。会員の勧誘が多く行われている場所が使えなかったからだ。それは、大学である。
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