スマホを安全に使うには
ではスマホを安全に使うには何を意識すべきだろうか。まず使っているスマホがiPhoneでもAndroidでも、とにかく少しでも怪しいと思うメッセージのリンクは踏まないこと。仮にタップしてしまっても、ユーザー情報を求めるような要求は無視する。
無料のWi-Fiにも注意が必要だ。できれば、通信に仮想のトンネルを作ってくれるVPNというサービスをいつも使う方がいい。インストールして、無料Wi-Fiを使う際にオンにすることでセキュリティ対策になる。
音楽や動画を見る分には比較的問題はないが、フリーWi-Fiにアクセスする際や接続中に何かに登録させられたり、どこかのサイトなどにアクセスさせたりということがあれば気をつけるべきだ。動画配信サイトなどでも、フリーWi-Fiであらためてパスワードを入れさせるような場合は気をつけたほうがいい。
バンキングやオンラインショッピングなど、口座情報やクレジットカード番号を入力するかなりセンシティブな行為は、安全なWi-Fiに接続しているときに限った方が良いだろう。フリーWi-Fiだと見られてしまうリスクがある。
さらにアクセスポイントの名前が偽物の場合もあるので、注意が必要だ。カフェやホテルに見せかけてサイバー犯罪者らが偽Wi-Fiを置いて、通るデータを盗みケースもある。アクセス先のWi-Fiの名前も、しっかりと確認をする必要がある。
そして最近続いた冒頭のような更新プログラムが発表されれば、すぐにアップデートをする。
こうした少しの対策だけでも安心をもたらしてくれる。デジタル化が進んだ社会には、どんなデバイスを使っていてもリスクはついて回る。それを意識してスマホを使うだけで、被害を減らすことは可能だろう。
山田敏弘プロフィール
ジャーナリスト、研究者。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフェローを経てフリーに。
国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)、『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)、『CIAスパイ養成官 キヨ・ヤマダの対日工作』(新潮社)、『サイバー戦争の今』(KKベストセラーズ)、『世界のスパイから喰いモノにされる日本 MI6、CIAの厳秘インテリジェンス』(講談社+α新書)。近著に『プーチンと習近平 独裁者のサイバー戦争』(文春新書)がある。
Twitter: @yamadajour、公式YouTube「SPYチャンネル」
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