iPhoneなら安全は間違い
iPhoneがより安全であるとは言っても、iPhoneを使っているからといってサイバー犯罪などとは無縁というわけではない。
例えば、世界的に知られたイスラエルのIT企業NSOが提供する「ペガサス」というスパイウェアは、iPhoneも難なくハッキングしているケースが報告されている。そして遠隔操作や乗っ取りも可能になる。また中国で行われたセキュリティイベントでも、ハッカーがiOSのハッキングに成功したケースが報じられている。
ここまでiPhoneやAndroidのどちらが安全なのかについて見てきたが、そもそも、OSそのものの安全性を語る以前に注視すべき問題もある。
どのスマホにも日常的に届く偽のSMS(ショートメッセージ)やフィッシングメールなどは、どんなOSを使っていようが関係ない。届いたメッセージにあるリンクをクリックしてしまって認証情報(IDやパスワード)を入力することで情報が盗まれてしまうケースもあるし、マルウェア(不正なプログラム)に感染してしまい、さまさまな情報などが盗まれてしまう場合もある。
クレジットカード番号やオンラインバンキングの情報などすぐに実害が出るような個人情報が漏れてしまう可能性だってある。こうしたサイバー犯罪被害はスマホうんぬんの前に、「人災」とも言えるもので、スマホユーザーなら誰でも引っ掛かる可能性があるものだ。
セキュリティ企業のトレンドマイクロは、2021年に「Tianyspy」と呼ばれるマルウェアがiPhoneを狙って使われていたことを報告している。同社によれば、通信事業者を装ったSMSから誘導される偽サイトでマルウェア感染させられるという。
さらに配達業者やオンラインショッピングサイトなど多くの人が使うようなサービスを装ってリンクをクリックさせようとするSMSもばらまかれている。
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