世界を知れば日本が見える 第6回

「iPhoneなら安全」は間違い! 誰もが注意すべきスマホのセキュリティリスクと対策

アップルのOSに脆弱性が見つかったとの報道がありました。スマホを安全に使うためにできることとは。

iPhoneなら安全は間違い

iPhoneがより安全であるとは言っても、iPhoneを使っているからといってサイバー犯罪などとは無縁というわけではない。
 

例えば、世界的に知られたイスラエルのIT企業NSOが提供する「ペガサス」というスパイウェアは、iPhoneも難なくハッキングしているケースが報告されている。そして遠隔操作や乗っ取りも可能になる。また中国で行われたセキュリティイベントでも、ハッカーがiOSのハッキングに成功したケースが報じられている。
 

iOSもターゲットに(画像はイメージ)

ここまでiPhoneやAndroidのどちらが安全なのかについて見てきたが、そもそも、OSそのものの安全性を語る以前に注視すべき問題もある。
 

どのスマホにも日常的に届く偽のSMS(ショートメッセージ)やフィッシングメールなどは、どんなOSを使っていようが関係ない。届いたメッセージにあるリンクをクリックしてしまって認証情報(IDやパスワード)を入力することで情報が盗まれてしまうケースもあるし、マルウェア(不正なプログラム)に感染してしまい、さまさまな情報などが盗まれてしまう場合もある。
 

クレジットカード番号やオンラインバンキングの情報などすぐに実害が出るような個人情報が漏れてしまう可能性だってある。こうしたサイバー犯罪被害はスマホうんぬんの前に、「人災」とも言えるもので、スマホユーザーなら誰でも引っ掛かる可能性があるものだ。
 

セキュリティ企業のトレンドマイクロは、2021年に「Tianyspy」と呼ばれるマルウェアがiPhoneを狙って使われていたことを報告している。同社によれば、通信事業者を装ったSMSから誘導される偽サイトでマルウェア感染させられるという。
 

さらに配達業者やオンラインショッピングサイトなど多くの人が使うようなサービスを装ってリンクをクリックさせようとするSMSもばらまかれている。


次ページ:スマホを安全に使うには

 

Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

連載バックナンバー

Pick up

注目の連載

  • 世界を知れば日本が見える

    韓国の戒厳令、尹大統領はなぜ突然「乱心」したのか。野党だけではない、北朝鮮とアメリカからの影響

  • ヒナタカの雑食系映画論

    独断と偏見で「2024年のホラー映画ランキング」を作成してみた。年末に映画館で見るならぜひ第3位を

  • ここがヘンだよ、ニッポン企業

    「あれは全て私がやりました!」 わが社の“承認欲求モンスター”をどう扱うべきか?

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    静岡の名所をぐるり。東海道新幹線と在来線で巡る、「富士山」絶景ビュースポットの旅