「はま寿司」が「100円メニュー」を死守できるカラクリ
「はま寿司」は「すき家」などと同じくゼンショーホールディングスの傘下である。国内外食チェーンの売上トップを誇るゼンショーホールディングスでは、原料の調達、製造、物流を一貫して自社で管理をする「MMD(マス・マーチャンダイジング・システム)」を導入し、高品質・低価格を実現している。
加えて、「はま寿司」は564店舗(2022年8月時点)を展開しており、その規模は「くら寿司」と肩を並べている。つまり、「スシロー」「くら寿司」が値上げをする中、「はま寿司」が「100円メニュー」を死守できるのは、巨大外食グループのスケールメリットがあるからなのだ。
この「はま寿司」のビジネスモデルを、「かっぱ寿司」は目標としている可能性が高い。
「はま寿司」と「かっぱ寿司」の共通点
「かっぱ寿司」も、「はま寿司」と同じく外食グループだ。「かっぱ寿司」「大戸屋」「牛角」を運営するコロワイドも、食材の生産・調達、製造、そして物流までを一貫して管理する「マーチャンダイジング戦略」を掲げている。「はま寿司」と同じように「100円寿司」で勝負を続けられる環境だ。
また「はま寿司」は、フードロスなどの観点からタッチパネルで注文をしてそれをベルトコンベアーで届けるという「回転レーンのない寿司屋」路線を強化しているのだが、これは「かっぱ寿司」も同様だ。
「スシロー」や「くら寿司」が都市部に積極的に進出しているのに対し、郊外のロードサイド型店舗に力を例れている点も、「はま寿司」と「かっぱ寿司」は共通している。
実際、「かっぱ寿司」の経営体制を見れば、「はま寿司」を意識していることは明白だ。
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